激震阪神の後任監督は矢野2軍監督昇格が最有力
最下位阪神に激震が走った。金本知憲監督(50)が11日、電撃辞任。西宮の球団事務所で午後1時から会見を開き辞任を表明した。その3時間後には、球団トップの坂井信也オーナー(70)も電鉄本社で会見を行い11月末をもって退任する意向であることを明らかにした。後任のオーナーには阪神電鉄会長の藤原崇起氏(66)が就任する。坂井オーナーは、任期の全うではあるが、最下位に沈んだ阪神は、現場、フロントの両トップが揃って責任を取って球団を去るという激動のオフを迎えることになった。 金本監督は、来季が3年契約の2年目で、当初、球団サイドは続投の方針だった。実際に、来季の組閣も水面下で進めていた。だが、就任3年間で、4位、2位、そして、最下位に終わったことから、金本監督自身が結果責任を取った。 「(辞任の理由は)成績不振。結果を問われるのが巨人と阪神。巨人は3位でもやめないといけない。僕なんて最下位ですから」。10日の甲子園での最終戦の後に揚塩健治・球団社長に対して辞任の意向を伝えたという。 急転、球団サイドは次期監督の選任作業に入ることになったが、最有力候補は、今季ファームを12年ぶりに日本一へ導いた矢野燿大2軍監督(49)だ。 矢野2軍監督は1997年オフに中日から故・大豊泰昭と共に関川浩一、久慈照嘉との2対2トレードで阪神へ移籍。「攻撃的捕手」として2003年、2005年のリーグ優勝に貢献、2010年に引退すると、評論家活動を経て、2016年に金本監督からの要請を受けて、1軍作戦兼バッテリーコーチに就任、今季から2軍監督に異動していた。 矢野2軍監督は、今季ファームで「超積極的野球」を掲げて、機動力を使い、チーム盗塁数は、ウエスタンリーグの中でも突出して163個。加えて457の四球数もトップで、打者に選球と粘りを求めた。 チーム防御率の3.00もリーグトップ。貯金「28」で2位のソフトバンクに2.5差をつけて優勝するとファーム選手権でも巨人を下して胴上げされた。 選手との対話を重視。ファームでも勝利者インタビューをさせるなどのアイデアマンで、自らもコーチングを学び、動作解析を取り入れて指導に説得力を持たせるなど、その“今の野球”にマッチした指導方法を結果につなげたことを電鉄本社サイドが高く評価。 チームの生え抜きOBではないが、矢野2軍監督ならば、「若手育成」という金本監督が、3年間取り組んだ大きなテーマを無にすることなく継承できると考え1軍監督経験はないが、その手腕を信じてチーム再建のタクトを預ける方針を固めた。