激震阪神の後任監督は矢野2軍監督昇格が最有力
矢野2軍監督が難色示せば岡田氏、掛布氏も候補に
現在、矢野2軍監督は、宮崎で行われているフェニックスリーグで指揮を執っている最中だが、ドラフトが25日に迫りコーチングスタッフなどの組閣も早急に進めなければならないため、早ければ一両日中にも水面下で監督要請が行われると見られている。 ただ矢野2軍監督は金本監督に誘われて3年前にユニホームを着たという経緯があり、最下位となった今季は2軍にいたとはいえ、辞任した金本監督との共同責任を感じて監督要請を「断る」可能性もないわけではない。 その場合は、元監督の岡田彰布氏(60)、前2軍監督で現在はオーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザーの掛布雅之氏(63)の2人が監督候補となる。岡田氏は、2004年から5年間指揮を執り“JFK”を確立して2005年にリーグ優勝、2006年から3年連続でCS出場、その後、オリックス監督を務めるなど、経験と実績は、生え抜きのOBの中ではナンバーワン。その勝負勘は球界屈指の“勝てる監督”だ。 掛布氏には1軍監督経験はないが、選手の主体性を重んじる育成手法が評価されており、ファームの監督時代に甲子園に1万人を超える観客を集めるなどファンの人気も絶大。 しかし、岡田氏、掛布氏の名前が出てくるのは、あくまでも矢野2軍監督が監督要請に難色を示した場合のみ。チームが「暗黒時代」に逆戻りするかもしれないという危機的状況を考えると、おそらく矢野2軍監督も「ノー」とは言えないはずで、阪神は金本監督に続きフレッシュな人材でチームの建て直しに挑むことになりそうだ。 これらの一連の監督人事は、本社の主導で進められているようだが、本来は、巨人が実績のある原辰徳氏を再登板させたように、岡田氏か、掛布氏の生え抜きOBに2、3年ほど指揮を委ね、その間に矢野2軍監督に、さらなる“帝王学”を学ばせ、監督昇格する際のコーチングスタッフも育てた上でバトンを渡すのが理想だろう。 野球界は結果で評価されるため監督人事に正解はない。しかし、阪神が固めた矢野2軍監督の昇格人事は、金本監督の二の舞いが危惧されるプランでもある。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)