「いったん受け入れたら原発がなければやっていけない仕組み」原子力発電所の再稼働が地元経済にもたらす恩恵とは 東北電力・女川原発2号機 宮城・女川町
東北放送
東北電力・女川原子力発電所2号機が、今年10月に再稼働しました。東日本大震災の被災地では初めてとなる原発再稼働はどんな意味を持つのか、そして地元はどう受け止めているのか。原発のある町、女川町を取材しました。 【写真を見る】「いったん受け入れたら原発がなければやっていけない仕組み」原子力発電所の再稼働が地元経済にもたらす恩恵とは 東北電力・女川原発2号機 宮城・女川町 ■震災後、被災地で初の再稼働 11月、女川原発2号機再稼働の報告のため経済産業省を訪れた東北電力の樋口康二郎社長。 東北電力 樋口康二郎社長: 「新たに生まれ変わるという決意を込めて、再出発と位置づけております」 女川原発2号機は今年10月29日に原子炉を再起動。震災被災地では初の再稼働となりました。 ■国も強調する再稼働の意義とは? 東日本大震災前、全国には54基の原発があり、国内のおよそ3割の電気を発電していました。しかし、震災後、一時全ての原発が運転を停止し、現在は24基の廃炉が決定。 東日本で再稼働した原発は1基もありませんでした。報告を受けた武藤経済産業大臣もその意義を強調しました。 武藤容治経済産業大臣: 「東日本における“電力供給構造の脆弱性” “電気料金の東西格差” “脱炭素原電による経済成長機会の確保”という観点からも、東日本の原子力発電所の再稼働は極めて重要」 燃料費の高騰により、大手電力会社が電気料金を値上げした去年6月の一般家庭向け料金の比較で、原発が複数基稼働している関西電力や九州電力は、東北電力よりも電気料金が3割以上安くなっています。火力発電の比率が高い東日本の会社は値上げを余儀なくされました。 では、今回の再稼働がすぐに料金の値下げにつながるのでしょうか。 ■すぐの値下げは難しい? 東北電力 樋口康二郎社長: 「昨年6月の規制料金引き上げの申請の時に、すでに女川2号機の再稼働については、料金を少しでも抑制するということで織り込み済み」 また、再稼働後も東北電力の発電量に占める原子力の割合は1割ほど。依然、燃料費高騰の影響を受けやすい状況にあり、すぐ値下げに転じるのは難しいとみられます。