女子校の中学入試で“筆記試験なし”の「ダンス選抜」を導入 学校に聞く、その狙いとは?
同校のダンス選抜について、首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成さんは次のように評価している。 「2012年から中学校の学習指導要領にダンスが導入され、またスクールに通う子どもも増えています。ダンス人口が増えているなかで、選抜にダンスを採り入れるのは自然な流れだと思います。中学入試はここ40年、学科試験を課し、体系だった知識を持つ子どもたちが合格できる入試として進学塾主導で動いてきました。勉強以外に子どもたちが一生懸命打ち込んでいることを評価する入試が増えれば、もっと中学受験が広がるのではないでしょうか」 ■学校改革の一環として入試の選択肢を拡大 同校では今、学校をあげて改革を進めている。27年度を目途に共学化を検討しており、教育では英語、デジタル、アートを共通言語とするカリキュラムにアップデートする。それに合わせて校舎も27年度には南館、29年度には本館の完成を目指してリノベ-ションする。壁がないオープンスペースやグリーンを取り入れた、クリエイティブな校舎になる予定だという。 さらに学内にはキャリアコンサルタントと予備校講師を常駐させ、生徒一人ひとりの進路実現と学力向上をサポートする体制を整えているのも特徴だ。特にキャリアについては高等教育機関への完全接続保証を謳い、中学から授業も環境も充実させている。ダンス選抜も、学校改革の一環だ。 「大学入試も総合型選抜や学校推薦型選抜などが普及しており、以前と比べると様変わりしています。中学入試も学科だけでなく、表現力のような非認知能力を測る選抜があってもいい。勉強をがんばってきた子どもと同様に、ダンスをがんばってきた子どもも評価したい。本校が先駆者になって、ほかの学校も続いてくれたらいいですね」(Admission & Marketing Div. 坪内詠紀さん) 新生の藤村がどんな学校になるのか、先が楽しみだ。 (取材・文/柿崎明子)
柿崎明子