日ハム清宮がフレッシュ球宴本塁打で怪物アピールも1軍ではなぜかプロの壁
日ハムの清宮幸太郎(19)が12日、青森・はるか夢球場で行われたフレッシュオールスターに全イースタンの「3番・指名打者」で出場、第2打席で中日の藤嶋健人(20)からライトへ本塁打を放ち存在感を示した。ただ4打数で2三振するなど課題も露呈。ゲームは3-1で全ウエスタンが勝利したこともあって、スターへの登竜門とされるMVPは逃し優秀選手賞に留まった。清宮は怪物なのか、それとも……。 “津軽のスタジアム”がどよめきに包まれた。4回。この回の先頭打者、清宮が中日の1軍で1勝している2年目、藤嶋の2球目の117キロのカーブを思い切り引っ張ると、低い弾道を残した打球は、切れることなくライトポール際へと消えていった。笑顔でのダイヤモンド一周。直後のフラッシュインタビューでは、「ずっと(ストレートには)空振りだったので、変化球が来てくれてよかったなあという感じです。(1軍での空振りのこと?)今日も、なかなか合ってなかったのですが、うまく合ってくれた。いってくれ!という感じでした。(目標は)楽しんでやるってこと、一生懸命やるってことで、結果は後からついてくればと思っていたので嬉しいです。たまたまです」と、余裕の受け答えを見せた。 やはりこういう舞台で期待に応えるのは何かを持っている男なのだろう。 だが、第1打席は阪神の馬場皐輔(23)のストレートにタイミングを合わせることができず最後はフォークを落とされて三振。6回の第3打席も、中日の昨夏の花咲徳栄の甲子園優勝投手、清水達也(18)に変化球でカウントを整えられ、最後はまた落ちるボールに中途半端なスイングで三振。9回の第4打席も、阪神の3年目の秘密兵器、望月惇志(20)の155キロのストレートに押し込まれてレフトフライに終わった。望月はストレートだけで勝負に来たが力負けしていた。 現在の1軍成績は、打率.174、1本塁打、2打点と寂しいもの。デビューから7試合連続ヒットの記録を更新、5月9日のオリックス戦ではディクソンから目の覚めるようなプロ初アーチを放っていたが、その後、21打席ヒットが出ずに苦しみ打率.179と低迷して5月28日に登録を抹消された。2軍で15本塁打の量産をして結果を残し7月9日に再昇格したが、2試合ノーヒットのまま再び登録を抹消されている。 フレッシュ球宴でのMVP獲得経験がある元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は「まだ19歳ですよ。この舞台でこれだけやれるのは現状として上等でしょう」と清宮の可能性を評価しつつも課題を指摘する。 「2軍と1軍では投手のレベルがまったく違う。過去に2軍でタイトルを獲得しながら1軍では活躍できなかった選手が何人もいました。つまり2軍で打ったからと言って、それで1軍での活躍が保証されるものでもなんでもないんです。清宮は自分の形でスイングできるときは、素晴らしいものを出せます。おそらく2軍では、相手のレベルもあって、そういうバッティングができているのでしょう。前回の1軍では、疲労の蓄積などもあって停滞していたようにも思います。毎日のように試合があるという経験は高校時代にないもの。キャンプ、オープン戦も体調不良で万全にやってきていないまま開幕を迎えたという影響もあったのでしょう」