《クリスマス・イヴ翌日も…》プレゼント購入されたペットを「返品」する人たち 「彼女と別れたから」「サプライズプレゼントが気に入らないと言われた」
人気の犬種はお迎えがあるが
筆者はこれまで『ペットショップの「コロナ特需」と売れ残った動物たちの末路』(2020年)、『盲目で心疾患持ちのトイプードルを社販で買った元ペットショップ店員の告白』(2021年)、『ペットショップの「お年玉セール」に違和感 命が叩き売られていいのか』(2022年)など、ペットショップと顧客にまつわる問題と生命倫理について書いてきた。また『コロナ禍のペットバブル 非常識な「返品」も多発している』(2021年)では今回のケースと同様の「返品」(何度も書くが嫌な言葉だ)についても書いた。コロナ禍の巣ごもり需要や在宅勤務もあってペットバブルに湧いた。 5類移行でコロナ禍がおちついたとされる昨今も改正動物愛護法に基づく悪質ブリーダーの「パピーミル」(子犬工場)に規制が入ると同時に、その規定を満たせないブリーダーの相次ぐ廃業で子犬の需要は高止まりしている。こうした虐待についても『虐待が日常だったペット絶望工場 1000頭の犬はどこに消えたか』(2021年)、『犬を連れた街頭募金活動にトラブル増 あわれむ前に確認すべきこと』(2022年)、『厳罰化しても後を絶たない動物虐待 悪質な保護団体で働いていた人たちが明かす「生き地獄」』(2023年)と書いてきたが、この国の「動物福祉」は昔よりはマシだが法的には立ち遅れている。罰則も軽く、それこそ保護団体が仕返しをされるケースも後を絶たない。 「ほんとうにごく少数の人なんです。でも命をプレゼントして気に入らないとか、別れたからとかでお気軽に返してくる人がいるんです。ペットショップの批判はわかります。でも一般の方にもそういう人がいる、そういう人がいるからお気軽に売る店もあるということだけは言いたいです」(前述の個人店主) クリスマス・イヴを新しい家族と迎えるはずだったポメはまたショーケースに逆戻り。「大丈夫です。この子は人気の犬種なのでお迎え来ますから」と店主は言っていたが、ここは扱う数も少なく人気犬ばかりなのでそうなのだろう。 しかし街外れ、国道沿いにギラギラした看板を並べ立てた大手ペットチェーンに行ってみれば、クリスマスでござい、年末大バーゲンでございと子犬や子猫を陳列している。半年以上売れていない子もいた。客はみんなニコニコ顔のミニ動物園感覚で見物しているが、本当にこれでいいのだろうか。サークルの端っこで売れないままのハスキー犬がうずくまる光景、大型犬の多くはお迎えが限られる。それでも「品揃え」が重視される。