《クリスマス・イヴ翌日も…》プレゼント購入されたペットを「返品」する人たち 「彼女と別れたから」「サプライズプレゼントが気に入らないと言われた」
「大切にします」と言われるとどうにもできない
大手ペットショップチェーンなどは契約書でガッツリ縛り、よほどの瑕疵(命にこういう書き方は本当にしたくないのだが現実)がない限りは「返品」できない。 しかし、小規模な店舗やブリーダーなどは表沙汰にはしないが受け入れていると話す。この店もそうだ。 「拒否したらこの子がどうなるかわからないですからね。うちだってお店にお迎えしたんです。この子がどうなってしまうかを考えたら受け入れるしかありません」
確かに、そんな非常識な人である。自分で仕方なく飼ってひどい扱いをするかもしれないし、その辺に捨てるかもしれない。保健所につれてくことだってあり得る。 「ポメもプーも高いですからそんなわけないと思う人もいるでしょうけど、お金って持ってる人は持ってますから、50万なんて痛くないって人もいます。女の子に入れあげる人の中にはどれだけ使っても構わないって人もいます」 それこそ遊郭の花魁に入れあげて殺しに走った江戸時代の「吉原百人斬り」ではないが、そうした女性に入れあげて大金を使う事例はもはや「人の歴史」と言ってもいい。 「これは古い話ですけど、中年男性が20代のお店の子にねだられたからってチワワを買って、すぐに『その子と別れたからいらない』って1ヶ月も経たないうちに返しに来ました。『チワワを見るとあんた(送り主の男)を思い出すから』とその男性も彼女から突っ返されたそうで。もうどっちもどっち、いまに始まったことじゃないです」 いわゆる「頂き女子りりちゃん」に騙された男性被害者らは数千万も使ったし、タワマン20代女性刺殺事件の犯人は往年の高級スポーツカーや名車のバイクを売ってまで貢いでいた。それぞれの顛末はともかく、その貢物が「命」となるとこれまた話が違ってくる。 「しっかりお話はしますよ。『家族として大切にしてあげてくださいね』『この子の一生の責任がありますよ』と。もちろん『うるせえ』『金払えばいいだろ』って人には譲りません。でも『わかりました、彼女と大切にします』とか言われるとどうにもできないです」 実のところペットショップの中には「本当に事情ができた場合は正直に言ってください」と客に説明する店もある。これも冒頭のように「返品」されなければ何をされるか、どうなってしまうかわからないからだ。 もちろんペットショップも商売、すべてがきれいごとというわけにはいかない。それについても真摯に答えてくれた。 「ポメやプーに限らず人気の小型犬は、仮に客が返して来ても別のお客様がお迎えしてくれます。むしろ売る、売らないはこちらで決められると言ってもいい」 面接のあるブリーダーもそうだがそうした良心的な店はある。しかし個人と違い企業として大規模な展開をしているペットショップチェーンはそうはいかない。 「大手チェーンのペットショップは大量仕入れ、大量販売ですからお迎えの来ない子がでてきてしまいます。それでバナナのたたき売りみたいに赤札貼って、それこそ『年末感謝祭』『クリスマスバーゲン』『新年初売りSALE』とかで売るんです。返品はよほどのことがなければそういう大企業はさせませんからその後『やっぱいらない』になった子がどうなるかはわかりませんが」