アランマーレ秋田の大物ルーキー樋口鈴乃…背番号74に込められた中学時代の約束
ユナイテッドカップでは樋口が29得点の活躍で日立ハイテクを撃破
今シーズンよりプレミアリーグとフューチャーリーグの2部制となるWリーグ。昨シーズンの成績をもとに上位8チームがプレミア、9位以降の6チームがフューチャーに属することとなった。 そのような中、9月21、22日にはプレミアとフューチャーとが参戦するトーナメント戦、「Wリーグ ユナイテッドカップ 2024-25」のEASTグループステージが国立代々木競技場 第二体育館にて行われた。迎えた1回戦ではフューチャーに属するプレステージ・インターナショナル アランマーレ(以下アランマーレ秋田/昨シーズン13位)が昨シーズン7位でプレミア所属の日立ハイテククーガーズに接戦の末に勝利と、大会を大いに盛り上げた。 この試合は、序盤から日立ハイテクを追う形となったアランマーレ秋田が、第2クォーター終盤に逆転に成功すると、45-38で前半を終える。しかし、第3クォーター序盤に日立ハイテクに追いつかれてからは接戦の様相に。残り約5分の時点では7点ビハインドと苦しい状況となったが、それまでも得点で引っ張っていた樋口鈴乃がさらに加速。3ポイントシュートなど小気味よく放ったシュートが次々とリングに吸い込まれていった。そして残り約1分で同点に追いつくと試合は延長へ。延長では残り3分を切って樋口が無念のファウルアウトとなったが、キャリアのある平松飛鳥らを中心に粘り強く戦ったアランマーレ秋田が、内藤唯の活躍もあり、最後は81ー79で日立ハイテクに競り勝った。 「(7月の)サマーキャンプで負けていて、絶対にリベンジしようとチームとしてやってきたので、勝ててすごくうれしいです」と、試合を振り返ったのは、3ポイントシュート5本を含む29得点で勝利の立役者となった樋口。今シーズンからWリーグの舞台でプレーするルーキーが最後はベンチから戦況を見守ったが、約40分の出場で巧みな1対1や大事な場面でのシュートなどで会場を沸かせた。 ただ、樋口本人は自らの出来について「シュートのアテンプトがチームの中で一番多いので、もっとシュートの精度を上げないといけないと思うし、勝負所でのシュートももっと決めないといけないので、まだまだです」と、言う。また、「今は、まず点を取ることを考えています」とも現状を語った。 というのも、白鷗大学時代はチームメートにセンターのオコンクウォ スーザン アマカ(現・白鷗大4年)やシューティングガードの三浦舞華(現・トヨタ自動車アンテロープス)といった点取り屋たちがいたため、司令塔として「アシストが基準にあった4年間だったし、シュートアテンプトもチームで一番少なかった」。だが、アランマーレ秋田では得点での役割が大きいため、「得点の方にシフトチェンジしないといけない」と考えているのだ。 「こんなにも得点にこだわったことがバスケットをやってきて今まででなかった」という樋口だが、「でも、点を取ることを求められている中でシュートが入ったらうれしいし、そういう楽しさを見つけることができています」と、笑顔をのぞかせる。それだけに、「得点とアシストをバランスよくできるようになれば」と、今後に向けての思いも語った。