インデックスファンドの積立投資にプラスαを乗せる分散投資、「半導体」の次は?
外国株式を投資対象とした投資信託で、過去1年間のトータルリターンが大きかった(2024年3月末基準)のは、トップが「野村 世界業種別投資シリーズ(半導体)」で106.94%、第2位が「インベスコ 世界ブロックチェーン株式」で86.95%、第3位が「iFreeNEXT FANG+インデックス」の86.91%だった(レバレッジ型を除く)。特定の産業やテーマに特化した投資信託ばかりになった。安定的に高いリターンを記録している米株指数「S&P500(配当込み、円ベース)」のトータルリターンが49.40%を大幅に上回る運用成績を実現した実績から、分散投資の効果について考えたい。
今年から始まった新NISAの影響もあって、投資信託の売れ筋のトップは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、第2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になっている。2020年3月の「コロナ・ショック」で世界経済が一瞬で凍結した後、経済再開をリードしたのは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を背景にしたデジタル経済への急速な移行だった。米アップルのiPhoneを使って、米メタ・プラットフォームのFacebookやInstagramで情報のやり取りをし、米アマゾンのオンラインショップで買い物をする。コロナ禍で外出制限にあった時に、米Zoom社のオンライン会議システムを使って会合することが当たり前になった。ポスト・コロナの時代で当たり前となった日常サービスの提供者として米国企業の存在感が急速に高まった。
そして、2022年11月30日に米オープンAI社が生成型AI「ChatGPT」を公開すると、ほぼ一夜で全世界規模で爆発的な話題を集め、これからの時代のインフラに「AI(人工知能)」が大きな役割を果たすことが確信された。そのAIの活用によって、従来とは比べ物にならない高速・大容量のデータセンターが必要とされ、そこで利用される膨大な量の半導体の需要もまた、確実なものと確信させられた。