インデックスファンドの積立投資にプラスαを乗せる分散投資、「半導体」の次は?
また、第3位の「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、まさしく「M7」への集中投資の成果そのものを映したといえる。同投信の組み入れ銘柄は、「M7」に加えてネットフリックス、ブロードコム、スノーフレイクの10社になっている。2023年から2024年2月まで一直線に値上がりしたが、「M7」への集中投資への反省が言われ始めたこともあって2024年3月以降は横ばいになっている。
一方、「インベスコ 世界ブロックチェーン株式」は、ビットコインなどといった暗号資産などに使われる技術である「ブロックチェーン」関連産業の成長に投資する。この投信は、ビットコインの価格が2023年1月を起点に、日本円で223.5万円から2024年3月末には1055万円に大幅に上昇したことなどがパフォーマンスの手掛かりになっている。ビットコインについては、ひとつには4年ごとにやってくる「半減期(新規発行ペースが4年に一度半減するルール)」の接近による需給ひっ迫、そして、ビットコインに投資するETFが承認されそうだという見方が2023年に強まり、実際に、2024年1月10日にビットコインの現物を運用対象とするETF11本が上場承認されたことなどが材料になった。世界経済等の動きとは直接関係ない業界の動きによる価格変動といえる。「インベスコ 世界ブロックチェーン株式」はビットコイン価格が低迷していた2022年は同じく低迷していた。2023年からビットコイン価格の上昇にけん引されるように大きく基準価額が上昇した。
新NISAを使った投資で、「全世界株式(オール・カントリー)」や「S&P500」などのインデックスファンドの積立投資を選択している投資家が少なくない。世界経済の成長・発展を投資成果に結び付けようという考え方に基づいて「全世界株式(オール・カントリー)」のインデックスファンドに長期投資するという考え方は良しとされ、その中で中核を占めるであろう米国株「S&P500」を選んで、より高い成長を狙うという考え方も間違いではないだろう。5年、10年という長期で考えれば、景気の良し悪しを超えて世界経済が成長した分に合わせた投資成果が得られると期待できる。