「グッドマンは泣いて出場を訴えた」井上尚弥はなぜ“1カ月延期”を受け入れたのか? 試合10日前に異例の決断「代役を立てる可能性もあったが…」
世界的にも珍しい“クリスマス・イブ決戦”は残念な形でたち消えになった。 IBF、WBOの指名挑戦者サム・グッドマン(オーストラリア)が練習中に左目上をカットしたため、12月24日に王者・井上尚弥(大橋)との間で争われる予定だった世界スーパーバンタム級4冠戦は延期が決定。このカードは改めて2025年1月24日に有明アリーナで挙行されることが14日、大橋ジムより発表された。 【画像】「左目切って出血…だ、大丈夫?」へこむグットマンに井上尚弥は“漢気”の神対応「エグいボディでドヘニーの心を折った瞬間…」「ネリの顔面がグニャリと…」井上尚弥のカッコよすぎるKOを全部見る(他100枚超) 「(スパーリング中の)不慮の事故でカットし、4針縫った。自分としては試合を進めたかった。本当にショックで打ちのめされているが、仕方がない。会場に来るつもりだった皆さん、井上と彼のチームにも申し訳なく思っている。私は自分のチャンスを逃したくない。この男と戦いたい。このカットが治ったらすぐに試合ができて、この試合が実現することを願っている」 グッドマンは自身のInstagramに投稿した動画内でそう説明したが、豪州時間で土曜朝に行われたスパーリングは文字通り、15日に来日する前の最後の実戦練習だったとのこと。これはもう不運としか言いようがない。 結果的にわずか1カ月の延期で済んだことから明らかな通り、傷自体は比較的小さなものだった。元世界王者で現在は解説者を務めるクリス・アルジェリは、「もっと早い時期に発生していたら報道もされない種類のカット。故障箇所と試合直前というタイミングが悪かった」と話していた。
グッドマンは涙ながらに出場を直訴
とはいえ、せっかくのクリスマス・イブという興行枠、今後のスケジュールも考慮すれば、代役を立ててのイベント続行が考慮されても当然だっただろう。それを熟知した26歳のグッドマンは故障発生直後、“人生最大のチャンス”を逃すことを恐れて涙ながらに強行出場を直訴したという。 しかし――陣営はそれを許さなかった。グッドマンを直々に説得したというマネージャー、ピート・ミトレブスキー氏は延期に至った経緯をこう説明する。 「サムは泣いて訴えたが、傷口がまたすぐに開いてしまう状態で戦わせるわけにはいかない。ビッグマネーを目当てに強行する挑戦者もいるのだろうが、“チーム・グッドマン”はそうではない。井上戦を行うのは大金を得るためではなく、勝つため。だから万全の状態で臨ませたいんだ」 10日後に迫った劇的なステージを保持するため、やはり代役挑戦者の採用は模索されたという。主催者側がそちらの方向に舵を切っていたら、依然として指名挑戦権を持っているとはいえ、グッドマンの挑戦の機会はしばらく先送りになっていたはずだ。結果的にグッドマン陣営の希望通りの“延期”に落ち着き、ミトレブスキー氏も胸を撫で下ろしていた。 「サムは少し取り乱していたが、今は落ち着いている。2週間後にはまたスパーリングを行い、準備を整えられる。こちらの熱意を汲み、延期という形にしてくれた大橋(秀行)会長とプロモーターを務める本田(明彦)会長に深いリスペクトを捧げたい」
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