近藤真彦JRP会長が24年ぶりのトップフォーミュラ走行!「60歳の“おじさん”を盛り上げてくれるマシン」に大興奮
9月26日、富士スピードウェイで行われたJRP日本レースプロモーションのカーボンニュートラル(CN)開発テスト。1日目のセッション終了後、近藤真彦JRP会長が、SF23開発車両『赤寅』で富士スピードウェイをドライブした。 【写真】近藤真彦JRP会長の手により富士スピードウェイを走行するスーパーフォーミュラ開発車両『赤寅』 ■「違う自分がアクセルを全開にさせていた」 現在はJRPの会長、そしてKONDO RACINGの監督としてスーパーフォーミュラに携わる近藤氏は、1995~2000年には日本のトップフォーミュラ(全日本F3000/フォーミュラ・ニッポン)に参戦した経験を持つ。 8月のモビリティリゾートもてぎ大会で発表されたとおり、近藤会長は10月12~13日に富士スピードウェイで行われる第6・7戦でSF23開発車両のステアリングを握ってのデモランが予定されており、“トップフォーミュラ復帰”として話題を集めている(デモランは12日のピットウォーク後に実施)。 これに先立ち近藤会長は「ぶっつけ本番ではなかなか怖くて乗れないので」と事前テストを“志願”。9月26~27日にCN開発テストが富士で行われることから、当初は27日の走行後に、近藤会長のためだけの特別走行枠が設けられる予定だった。 しかし、当日の天気予報が芳しくないことから、急遽26日の夕方へとこのセッションが移されることに。 17時から30分間設けられたこの特別セッションでは、トヨタエンジン搭載の『赤寅』開発ドライバーを務める高星明誠が最初にウォームアップ走行をしてから、近藤会長へとバトンタッチ。近藤会長はアウト/インラップを含め、ドライコンディションの富士を5周回、走行した。 マシンを降りた近藤会長は「いやもう、ドキドキ・ワクワク。60歳の“おじさん”を、こんなにも無茶苦茶に盛り上げてくれるマシン、ですね」と興奮気味にSF23のインプレッションを語った。 「僕が現役で乗っていたとき(1995~2000年)と比べたら……もうその頃のF1マシンですよ、これは。今日は練習走行だったし、僕、アマチュアなので、ちょっとパワーは絞ってもらったけど、それでもすごいパワーを感じました」 スタート練習も2回ほど行ったという近藤会長は、「パドルのクラッチも初めてだし、左足ブレーキで思いっきり(踏むの)も初めて……もう『初めてづくし』なので、僕らが現役の頃のマシンと比べたら、進化や進歩がすごいな、と感じました」と、昨年から導入されたSF23の革新性に驚いた様子。 富士のロングストレートでアクセルを全開にした際には、特別な感覚も覚えたという。 「今日は別に“勝負”ではないけど、勝負に出る時って、ちょっと自分が見えなくなる瞬間がある。今日はその瞬間が……だってストレートで全開にするって、何十年ぶりにフォーミュラに乗って、なかなかできることではないですから。ちょっとカッコいい言い方になってしまうけど、『違う自分がアクセルを全開にさせていた』みたいな、そんな感じでした」 もてぎの会見時にも触れていたように、今回のデモランとテストドライブは、ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptでスーパー耐久の富士24時間レースに出場したこと、そしてその場でのモリゾウことトヨタ自動車豊田章男会長とのやりとりが発端となり実現したものだった。 「モリゾウさんから刺激を受け、ヘルメットを被ってレースに出ると、経営のことばかりではなくて、本当のレースの楽しさみたいなものを味わえるんだなと思いましたけど、今日はまたその何倍も味わえました」と近藤会長。 「ますますレースにのめり込んで、このワクワクさ、ドキドキさを、ひとりでも多くのレースファンの人、もしくはそうでない人に伝えたいと思います」 なお、近藤会長のこの日の“ベストラップ”は2分12秒914。比較するのは野暮ではあるが、2024年第4戦のポールポジションタイムは1分22秒543である。かなり慎重にドライブしたようではあるが、一方では“手応え”を得た様子で、近藤会長からはこんな冗談も飛び出した。 「本番の10月は、ドーナッツ(ターン)を見せようかな……嘘ですよ(笑)。今日練習させてもらったので、とにかく恥ずかしくないスタートを切って、何ラップかさせてもらって、ファンの方に『あのおっさん、頑張って乗ったな』と思ってもらうだけで、充分でございます」 [オートスポーツweb 2024年09月26日]