改めて考える、“MBTI診断”ブームの行方~なぜ知りたくなるのか?キャリアに介入させる是非とは?~
MBTIを公開することへの抵抗感
Q:相手に質問したり対話を重ねたりする機会がないまま、その人のMBTIを知る場合もあります。例えば、SNSのプロフィール欄に記載している人もいれば、組織や団体のメンバー一覧にMBTIを記載するケースもあるようです。相手と関わったことがない状態でMBTIを知る・知られるということに対してどう考えていますか? Oさん:僕は自分のMBTIを知られることで、役割づけをされたり過度に期待されたりすることがあるので、負担に感じるかもしれません。INFP(仲介者)は人と人の間を取り持つのが得意だなんて思われているようですが、実際はストレスに感じるので……。 Hさん:自分とは違う学部やサークルなど、広く浅く関わっているような人をなんとなく理解するための情報としてMBTIを知っておくのは良いと思います。でも個人的には、これから深く関わろうとしている人のMBTIを初対面で聞いてしまうと、「この人はきっとこうだろう」という先入観を持ってその人に接してしまうことになるので、そういう使い方はあまり納得がいきません。サークルでは、初対面の新入生に「MBTI何?」と聞く場面もありましたが、相手のことをある程度知った段階で、その人の性格や好みを表す材料としての使い方ができると良いのかなと思っています。 Q:あまり親しくない人にMBTIを知られることに対しては抵抗感もあるのですね。大美賀さんは、MBTIを公開することについてどう考えていますか? 大美賀さん:社会人の場合は、職業的アイデンティティーと合っているかどうかでMBTIを公開するメリットも変わってくると思います。例えば、私は心理カウンセラーとして相手と向き合う仕事をしているので、もしそのイメージに合わないMBTIだったら公開するメリットはありません。学生の場合も、先入観を持って見られるということは念頭に置いて、見せたい自分とマッチしているかどうかは考えておく必要があるかもしれません。ただ、MBTIを公開することで、その人のことを知った気になれるという側面だけでなく、同じMBTIの人にとって成功プロセスの参考になったり、「自分も同じことができるかもしれない」という希望につながったりするポジティブな面もあるのではないかなと考えています。