大阪・通天閣のビリケンさん復活「しばらくエアータッチでよろしく」30日営業再開へ社長の思い
取引先支援のため売れ残り菓子販売で支援
通天閣は、新型コロナウイルスの影響により2月ごろから観光客が激減。2007年度から年間入場者100万人をキープし、平日の少ない日でも最低3000人はいた入場者も2月は前年同期比で30%、3月は60%も減少した。 その際も臨時休業を考えたが、通天閣がある新世界で飲食店などを営む住民から「通天閣が閉まったら街が死んでしまうので開けてほしい」という声を受け営業継続を決意。 土産物菓子の取引先が、各観光施設で売れ残った菓子の処分に困っていると聞けば、だれもが入場できる地下のスペースに特設売り場を作り、それを定価の半額で販売や通販で対応し最低限の雇用の確保。その対応がテレビなどでも大きく取り上げられ話題にもなった。
涙の臨時休業も「大阪モデル」ライトアップで話題に
しかし、4月に入ると日ごとの入場者数も減り続け、政府の緊急事態宣言が出された翌日の同8日には一日30人という通天閣創立以来、最低の入場者数を記録。9日からの臨時休業を決断するとともに、涙を流しながら従業員に休業を告げた。
その後は、大阪府の吉村洋文知事が掲げた新型コロナウイルスに対応する休業要請の段階的解除に向けた大阪府の独自基準「大阪モデル」の警戒信号の色を、ライトアップで表すことを府から依頼を受け無償で快諾。 高井社長自らも、通常は時計を映しているLED電光掲示板に、府のキャラクター「もずやん」の表情分け周知を提案し、通常行わない24時間点灯で対応し、連日、テレビなどでも取り上げられている。
営業再開・社長は「しんどい日が続くと思うけど『コロナに負けない』」
高井社長は30日の再開に向け「いまはインバウンドのお客様も来られないし、観光客の方も少ないためしんどい日が続くと思います。けど、コロナには負けないという気持ちで臨んでいきます」と力強く話す。
若い従業員も奮起し営業再開へ奮闘
もちろん営業を再開する以上は万全の態勢で臨もうと、入口には一度に20人検温できるシステムを導入。ホームセンターで材料を購入し、エレベーターや床のあちこちにソーシャルディスタンスを促す印を作ったり、レジなどをビニールで覆う作業も行った。そして、換気もしっかり行うなど3密(密閉、密集、密接)対策を徹底する。 29日から運用が開始された、施設の利用者に「QRコード」を使ってウイルスの発生状況をメールで知らせる大阪府独自の「大阪コロナ追跡システム」もさっそく活用し、わかりやすい場所にはりつけてあった。