高校サッカー 東海大相模、初出場で劇的〝冬〟1勝!! 終了間際に佐藤碧がV弾「気持ちで決めた」
第103回全国高校サッカー選手権大会2回戦(31日、東海大相模2-1草津東、Uとどろき)16試合が行われ、初出場の東海大相模(神奈川)は2-1で草津東(滋賀)に逆転勝利。強豪の野球部仕込みのロングスローで会場を沸かせたDF佐藤碧(3年)が同点の後半追加タイムに決勝ゴール。選手権初勝利をもぎ取った。イングランド・プレミアリーグのサウサンプトンに加入内定の日章学園(宮崎)FW高岡伶颯(れんと、3年)は2試合連続ゴールも1-2で敗戦。今大会通算4得点で姿を消した。流通経大柏(千葉)はMF亀田歩夢(3年)の活躍で3回戦へ。前回大会王者の青森山田は高川学園(山口)に敗れ、10大会ぶりに初戦で敗退した。 劇的な一撃で東海大相模が「1勝」を刻んだ。1-1の後半追加タイム、味方のシュートがバーに当たり真上に高く上がると、落下地点にいたDF佐藤は頭でボールをゴールに押し込んだ。 「得点盤を見たらもう時間が書いていなかったので(試合が)終わると思っていた。自分のところに上がってきたので、気持ちで決めました」 歓喜の輪が解けたところで笛が鳴り、試合終了。0-1の前半37分には鋭い左クロスでMF長井隆之介(3年)の同点ゴールをおぜん立て。1得点1アシストをマークし、創部61年目で選手権初出場を果たしたチームに選手権初勝利をもたらした。 〝飛び道具〟でもスタンドを沸かせた。佐藤の武器の1つでもあるロングスロー。甲子園で春3度、夏2度の優勝を誇る名門の野球部で主将を務めた木村海達捕手(3年)らから、手首のスナップの使い方や試合前に肩の内部の筋肉を温めることなどを教わった。バックスピンを利かせたボールが風に乗ってゴール前に飛ぶ度に会場はどよめいた。 「野球部が甲子園に出たので、自分たちも国立に行って全国で結果を出したいと思っていた」と佐藤。互いのユニホームを交換するなど仲が良いという日本ハムのドラフト2位左腕・藤田琉生投手(3年)らから受けた刺激を胸に練習を重ねて、大舞台での白星につなげた。 まずは昨夏の高校総体での16強を超えて、頂点に立つことが目標。「次もしっかり勝って、初出場じゃないと相手に思わせるような全力プレーで全国の人に注目されるように頑張りたい」と佐藤。柔道部やラグビー部も全国レベルでスポーツの超名門校。生半可な試合は見せられない。(山下幸志朗)