「クンクン」寄り添い認知症の女性を救助 犬の「おもち」に感謝状
茨城県警水戸署は19日、歩道に座り込んでいた認知症の高齢女性を救ったとしてメスのゴールデンレトリバー「おもち」と飼い主の看護師、永山里紗さん(30)に感謝状とドッグフード3キロを贈呈した。自身も犬を飼っている小森正彦署長は「女性が保護された場所は大きい道路も近く、危険な状態だった。保護していただきありがとうございます」とたたえた。【西夏生】 水戸署によると、おもちは散歩中の10月12日午後4時ごろ、水戸市大塚町で歩道に座り込んでいる女性(83)を見つけた。永山さんが110番した上、警察官が到着するまで女性に寄り添い、事件や事故に遭遇するのを防いだ。 永山さんによると、おもちは3歳で、人を見ると飛びつくような「おてんば娘」という。しかし、女性を見つけた時はクンクンと心配するように近づき、寄り添っていた。女性は「息子が通るかもしれないので待っている」と話していたものの、夕方にもかかわらず薄着だったため、永山さんは女性が認知症の可能性があると思い通報した。 警察官が到着するまでの間、女性は「可愛いね」と言いながらおもちをなで、落ち着いていたという。永山さんは「おもちの気づきもあって救うことができた。これからも可愛がっていきたい」と笑顔を見せた。 この日は大洗町で自宅の庭に迷い込んだ高齢女性(87)を保護したとして自営業の小沼涼介さん(31)も表彰された。小沼さんは「当たり前のことをしただけ、利他の精神がもっと広がれば良いですね」と話していた。