被団協ノーベル平和賞受賞効果?広島平和記念資料館にも世界が注目!入館者急増で10月は過去最多
「核のタブーが壊されようとしていることに限りないくやしさと憤りを覚えます」――。 ノルウェー・オスロ市庁舎で10日行われたノーベル平和賞授賞式。その壇上で日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の田中煕巳さん(92)は、現在も続くウクライナ戦争におけるロシアの核の威嚇やイスラエルの核兵器使用の懸念について冒頭のように力強く語った。 【写真】兵庫県知事選で疑惑のPR会社女性社長 広島市観光サイトで原爆ドームいじり 「授賞式で田中さんは自身の伯母らを原爆で亡くした過去を振り返るとともに、1956年の被団協の設立の経緯についても説明。日本政府から一貫して原爆による死者に対する国家補償が行われていないことについて触れ、核兵器廃絶を世界に訴えていました」(外信部記者) 長年の田中さんら被団協の活動が認められ、今回ノーベル平和賞受賞が決定した。決定時期と相まってか原爆の実相を伝える「広島平和記念資料館」の入館者数も急増しているという。
「今後はさらなる入館者の増加が予想されます」
「コロナが5類に移行された2023年から入館者数は増加傾向にありました。同年5月に広島で行われたG7以降はその傾向が顕著となり、昨年度の入館者数は約198万人と過去最多です。そのうち約3分の1は海外からの入館者でした」(資料館を管理する広島市平和推進課) 平和記念資料館の入館者数が増加したのは、他に「昨今のウクライナやイスラエルの情勢や円安も関係しているのではないか」と同課は推測する。 「被団協のノーベル平和賞受賞が決定した今年10月には約27万人と過去最多の入館者数でした。今後はさらなる入館者の増加が予想されます」 国内外からの入館者に対応するため、平和記念資料館では日本語を含む15言語の音声ガイドの貸し出しや館内の展示解説などを行う190人のピースボランティアも登録しているという。 世界に被爆の実相を知ってもらいたい。