驚きの品揃え「トライアル」「久世福商店」が展開する新業態
今回のテーマは、「物価高に挑む~激安店と高級店~」。終わりが見えない物価高騰。激安スーパー「トライアル」と高級店「久世福商店」はさらなる客層の拡大を狙い、新業態をスタートさせた。 番組は生き残りをかけて奮闘する小売業界の挑戦者に密着。そこには、客の心をつかむ“驚きのアイデア”があった。 【動画】驚きの品揃え「トライアル」「久世福商店」が展開する新業態
「トライアル」がコンビニ型店舗で勝負!299円「レンチン商品」開発に密着
今年、賃上げ率が33年ぶりに5パーセントを超えた日本。しかし、物価変動を考慮した実質賃金は、過去最長26カ月連続のマイナスを記録した。物価の急上昇に庶民の給料が追いつかない状況が続き、秋には一層の値上げラッシュが待ち受けている。 福岡に本社を構える激安スーパー「トライアル」は、そんな現状をチャンスと捉え、激安戦略でさらなる拡大を狙っていた。24期連続で増収を達成し、年商は7179億円。今年3月に上場すると、時価総額が一躍、グロース市場トップに躍り出た。 創業者の長男・永田洋幸取締役は、「昨今の物価高で、お客さんが求めているものを、私たちはさらに求めやすくしなければならない。時代の変化に合ったフォーマットを随時開発していく」と話す。
新戦略の責任者に抜てきされた廣石財さん(34)は、東京大学を卒業後、大手広告代理店に就職。小売業界でマーケティング力を試したいと、5年前、トライアルに転職した。
福岡市・城南区。トライアルが展開してきた郊外とは違い、マンションや大学が集まるにぎやかな街に、廣石さんはこれまでにない店をつくろうとしていた。広さは42坪と従来店の約30分の1。仕掛ける新業態は「都市型小型店」とこれまでの真逆をいく戦略で、すでに「トライアル ゴー」という名で約30店舗を運営している。本格展開を見据え、実証実験中だ。 今回の店は特別で、地下鉄の駅やバス停が近い好立地だが、売り場はこれまでの最小で 坪単価は、郊外店と比べて倍以上だという。廣石さんは「(この街には)普段利用していない潜在的な“未来のお客さん”がいると思うので、そこを開拓していきたい」と話す。