アクセンチュア流「SCM改革」、体験談で教える「3つのAI事例」と「3つの秘訣」
多くの製造会社で、サプライチェーンマネジメント(SCM)改革に取り組む機運が高まっている。一方、多くの企業では、「ITツールの導入が目的となってしまう」などの理由で、思うように進められていないのが実態だ。そこで今回、アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 コンサルティンググループ プリンシパル・ディレクターの兼沢 卓也氏が、o9ソリューションズ・ジャパン セールスディレクターの小山 英之氏による進行の下、SCM改革のトレンドとともに、失敗体験からの教訓や成功の秘訣について語った。
本記事は2024年10月8日開催「aim10x On Tour Tokyo」(主催:o9ソリューションズ・ジャパン)の講演を基に再構成したものです。記事の内容はイベント当時のものです。
SCM改革の「3つのトレンド」
1ページ目を1分でまとめた動画 昨今、デジタルテクノロジーを活用したDX推進が大きなテーマとなっている。一方、デジタルツールを導入することがゴールとなってしまう企業も少なくないのではないだろうか。 その背景について兼沢氏は、「ソリューションやテクノロジーを活用してどのように業務を高度化していくかを考えることの難易度がだんだん高まっています」と話す。これによりツール導入が目的化してしまい、その際の価値創造などに考えが至りにくいのだという。 「企業はデータやAI、新しい働き方を駆使して、企業全体を再創造し、レジリエンスを高め、新たな成長の道を切り開かなければならない」というビジョンを掲げ、顧客価値の提供に重きを置いているアクセンチュアでは、これまで多くの企業のDXを支援してきた。その経験を踏まえ、兼沢氏はSCM改革のトレンドを3つ示した。 1つ目は、「デジタルツインの構築」だ。デジタルの力を駆使するには、基盤となるサプライチェーンの可視化が不可欠である。「まずデータを収集し、デジタルツインでサプライチェーンを可視化することが求められます」と兼沢氏は述べ、「鮮度と精度の高いデータを収集し、デジタルツインを維持していくことが重要なポイントです」とした。 2つ目は「AIの活用」だ。兼沢氏は「改革の実現に向けて、今後数年間、AI投資は避けて通れません」との見通しを示した。 3つ目は、「社外パートナーを含めた変革の体制整備」だ。兼沢氏は「自社のサプライチェーンだけに閉じた世界ではなく、最終的にはサプライヤーやエンドカスタマーを巻き込んで改革を進めることが、バリュー最大化には重要なテーマとなります」と話した。 その中でも兼沢氏はAI活用に焦点を当て、生成AIを含めた「ユースケースが3つあります」として紹介した。