3年前に「実家」を相続したけど、家の「相続登記」をしていません。放置すると「10万円」払う必要があると聞いたけど、今すぐ手続きすれば問題ない?
「実家を相続したけれど、まだ相続登記をしていない」という方も多いのではないでしょうか。2024年4月1日から相続登記が義務化され、放置すると10万円の過料が科される可能性があると聞いて焦っている人もいるかもしれません。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる? そこで本記事では、相続登記の義務化の内容と手続きの流れを解説します。今回の法改正は、施行前の相続にも適用されるため、現時点で「相続登記」を行っていない全ての人に関わる内容となっています。
2024年4月1日より相続登記が義務化された
家やアパートなど不動産を相続で引き継いだ場合、所有者を新しい所有者へ変更しなければいけませんが、その所有者を変更することを「相続登記」といいます。これまで「相続登記」は任意でした。そのため相続した不動産の名義を変更せずに放置し、所有者が不明になってしまうケースが多く見受けられていたのです。 不動産の所有者が特定できない場合、不動産を処分できず空き家が増えてしまったり、都市開発や公共事業など土地の有効活用ができず、経済発展の妨げになったりと、多方面で悪影響を及ぼします。 2022年の国土交通省の調査によると、不動産登記簿において所有者の所在が確認できない土地の割合は24%です。この24%の内訳として、相続登記が未了になっているケースが61%という結果が出ています。 不動産の所有者が分からないことが社会問題となっており、その解決策として2024年4月1日から「相続登記」の義務化が始まりました。
期限は相続を「知ったとき」から3年以内
法改正後は「相続の開始および所有権を取得したと知った日から3年以内」に相続登記をしなくてはいけません。遺産分割協議によって不動産の所有権を取得した場合は、遺産分割された日から3年以内に相続登記を済ませる必要があります。ただし、被相続人の不動産所有を認知していない期間はこの3年には含まれません。 図表1
東京法務局 相続登記が義務化されましたより筆者作成 法改正前に相続した不動産でも「施行日から3年以内」に相続登記を行う必要があります。過去の相続については法改正の施行日である2024年4月1日が起算点となるため、2024年4月1日より前に不動産を相続した場合は、2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。