「救命救急」の技術競う国内最大級の大会 『秋葉原無差別殺傷事件』の現場を再現 厚労省評価「9年連続・日本一」の医療チームに密着
救命救急の医療従事者たちが、処置の速さや正確さを競う全国大会があります。 日本一を目指す、熱き戦いに密着しました。 ■【動画で見る】【密着】医師・看護師・救急救命士が「救命救急」の技術競う大会 『秋葉原無差別殺傷事件』の現場を再現 「9年連続・日本一」の医療チームに密着
■全国各地から20チームが集結
全国から集う医療従事者たち。 2023年12月、関西大学の高槻ミューズキャンパスで開催されたのは「第20回千里メディカルラリー」です。救命救急チームの技術を競う国内最大級の大会で、近畿のほか、全国各地から20チームが集結しました。
前回優勝し、大会連覇を狙うのは「神戸市立医療センター中央市民病院」の“BE KOBEチーム”。 「1年365日・24時間断らない救急医療」を理念とし、中でも救命救急センターは、厚生労働省による評価で9年連続“日本一”に選ばれています。 救急科2年目の池田 廉医師(29歳)。
【池田 廉医師】「到着したら心肺停止直前の方も中にはおられるのですが、初期対応して救命して、入院治療まで持っていけた時とか、ひと仕事終えたなって感じはあります」 この病院に勤務する医師・看護師と神戸市消防局の救急救命士の6人がBE KOBEチームとして挑みます。 今大会では、地震で倒壊した家屋での救命、プールで溺れた児童の救助など、全部で8つのステージを用意。限られた時間内に、的確に診断と治療ができたかを審査し、その総合得点で競います。
■実際の事件をモデルにしたステージに挑戦
メインステージの一つが“大規模災害”。 「3人が刺された模様」という通報を受け、チームが現場に急行します。しかし、実際に現場に着くと、広範囲に渡ってけが人が倒れていて、痛みを訴える人がいるという設定です。 大会を監修するのは「大阪府済生会千里病院」救命救急センターの伊藤裕介医師。 このシナリオのモデルになったのが、7人が死亡、10人が重軽傷を負った秋葉原無差別殺傷事件です。 【監修 伊藤裕介医師】「ナイフで刺したのと、車で人をひいたという二つの外傷を同時にやって、かなり広範囲のスペースに傷病者が散らばったという事件。当時の医療チームは犯人がどこにいるのか分からない状況で活動せざるを得なかった」
【関連記事】
- ■「どんな患者も受け入れる」 救急現場の改革続ける医師 こだわったのは患者を断らない『ER型救急』 “マンパワー不足”を抱えつつ…目指す理想の救急医療とは
- ■同僚の悪ふざけで転落 天橋立「股のぞき」で50代男性が15メートル落下 落下事故での救助要請は初
- ■寺で繰り返された性的暴行 「坊主に逆らうと地獄に落ちる」と脅され 尼僧が涙の訴え 髪を毎晩そられて…
- ■中学教師が「セックス」指導 “コンドームの付け方実践”や“出産シーン鑑賞”に挑戦 「先生セックス何回したことある?」なんて質問も
- ■「限界ニュータウン」 新築時2600万円が113万円 「だまされたとは思わないけど…」 “バブル期”開発 街から離れ、病院も学校もなく