「救命救急」の技術競う国内最大級の大会 『秋葉原無差別殺傷事件』の現場を再現 厚労省評価「9年連続・日本一」の医療チームに密着
■治療の優先順位を決める“トリアージ”
そんな中、応援の救急隊とDMAT(災害派遣医療チーム)が到着しました。突然増えた人員に対し、的確に指示を出せるかもポイントです。 【応援の医療チーム】「集積したいんですけど、可能ですか?」 【救急救命士】「シート敷いて、救護所作成して」 応援が多数駆け付けたところで、BE KOBEチームは、トリアージの色ごとに患者を集めて治療・搬送する方針に切り替えたようです。傷病者の緊急度や重症度から治療の優先順位を4段階に振り分ける“トリアージ”。赤色が最優先で、黄色・緑と続きます。 【池田 廉医師】「どういう事故なんですか?車にはねられた?」 【救急隊】「その情報しかないです」 【池田 廉医師】「車が突っ込んだ?これかな」 事件の概要を把握しつつ、診断にもつなげます。 池田医師が心肺停止の若者から離れようとしたところ、突然腕をつかまれました。
【傷病者の母親役】「先生、この子を診てください!先生、行かないでください!」 【池田 廉医師】「ごめんね。救急隊の方ががんばってくれてるから」 【傷病者の母親役】「先生、お願いします!」 懇願する母親にどう対応するのでしょうか? 【看護師】「ちょっと先生離れたいので、お母さんについてあげてもらってもいいですか」 母親の対応を警察官に依頼。看護師のとっさの判断が光ります。 指揮所では続々と、優先度の高い「赤色」の患者の処置が進んでいました。 【救急救命士】「16人やと思うけど、漏れがあるかも」「今来ているのは19人。多分かぶってるわ。確認せなあかん」 実際の傷病者は、全部で17人です。当時、この事件にあたった日本医科大学のDMATチームは、到着後15分で搬送を開始していたそうです。 【監修 伊藤裕介医師】「大規模な地震ではないので、周りの病院は生きている。早く患者さんを病院に連れて行けば治療ができる。集めた瞬間に出す(搬送する)くらいの勢いでやらないと、実災害では助からない」 慌ただしく対応する中…。 【アナウンス】「お疲れさまでした!」 【池田 廉医師】「え?終わり?」 17分が経過し、終了です。最優先である「赤色」の傷病者7人を集めるも、搬送できませんでした。
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