家賃10万・郊外の築古物件に住む中堅サラリーマンが、不動産投資で年収を超える資産を築いたたった一つのポリシー
■ 家族4人、家賃10万円の築古賃貸に住む不動産投資のプロ インフレになるから自宅の価格がどんどん上がる、何となく良い気分になるのかもしれないが、そんなに簡単に金持ちにはならないのである。 むしろインフレは生活コストの上昇を警戒しなければならなくなる。すでに食料品、光熱費、ガソリン代などの値上げラッシュが始まっている。 ローン返済をぎりぎりにしていると、生活コストのアップはかなりの痛手になるはずだ。逆に投資物件であれば、インフレ下においては賃料上昇が期待できる。 さらにインフレになることは金利の上昇を誘発する。変動金利型住宅ローンで調達している世帯ではさらに苦しい家計状態になる。 金利上昇は投資物件にも影響が生じるが、賃料の引上げでカバーできる可能性があり、自宅に比べてコントロールがしやすい。 さらに建物は経年劣化する。自宅の場合は資産価値の劣化を意味するが、投資の場合は毎年減価償却を計上することで利益の圧縮ができる。 私の知人で、不動産投資で一財産を築いた人がいる。 彼は中堅会社の普通のサラリーマンに過ぎなかったが、自宅には全くカネをつぎ込むことはせずに、家族4人は郊外の55m2 、家賃10万円の古い賃貸マンションに住み続け、遠距離通勤に耐えながら、得られる給料のほとんどを投資用マンションの購入に費やした。 所有する賃貸マンション、アパートは増え続け、やがて賃料収入は彼の年収をはるかに超えることとなるが、彼はそれでも会社を辞めることはしなかった。 「だって、会社にいるだけで毎月、軍資金を払ってくれるのだから。不動産はだまって座っていても収入があるし、ひまな時間を会社の机に座って過ごせば給料がもらえる。なんて幸せなんだ、俺」 こういう人を資産家というのだ。ちなみに55m2 の築古マンションに彼は今でも住み続けている。 「家族っていうけど、子供なんてすぐに巣立つもの。自分の家に金をかけても何の収益にもならない。家は屋根があって、寝られて、飯を食えれば、それだけで十分」 彼の持論である。不動産投資のプロは意外に質素な家に住んでいるものだ。自分が住んでいてもちっとも儲からないことを彼らは熟知しているからだ。 なけなしのお金と多額の住宅ローンを借りてタワマンに住んでみたところで、見栄や欲望は満たされているかもしれないが、実はお金持ちになれたわけではないのだ。 「自宅で金持ちになる」は幻想なのだ。 *不動産投資への確実なリターンを保証するものではありません。投資はご自身の判断でお願いいたします。
牧野 知弘