家賃10万・郊外の築古物件に住む中堅サラリーマンが、不動産投資で年収を超える資産を築いたたった一つのポリシー
(牧野 知弘:オラガ総研代表、不動産事業プロデューサー) ■ 15年でなんと70%以上の値上がり 【写真】「高値の花」となった首都圏のマンション。15年でなんと70%以上の値上がりだという マンション価格の高騰が止まらない。 不動産経済研究所の発表によれば、2024年度上半期(4月から9月)、首都圏(1都3県)の新築分譲マンションの平均価格は戸あたり7953万円と前年同期比で1.5%の値上がり。平米あたり単価は120万9000円と同1.7%の値上がりとなった。 東京23区に限れば、平均価格は1億1051万円、今や「マンション」という呼び名は「オク(億)ション」に換えたほうがよいほどだ。 どのくらいの値上がり状況かといえば、2007年の首都圏での新築分譲マンションの平均価格が4644万円。15年でなんと70%以上の値上がりである。 昨今、マーケットでこれほどの値上がりを示した商品は存在しないのではないだろうか。
■ 超高額物件をたやすく購入する中国人投資家 同期間で首都圏人口が大幅に伸びているわけではない。2007年の首都圏人口は3482万6000人、2023年は3690万3000人。率にして5.9%の伸びである。 需要が爆発的に盛り上がったわけでもないのに、人々が「住む」ためのマンションが短期間で急激に「高値の花」となったのである。 もちろん地価が上昇している、建設費が高騰しているといった要因はあるものの、マーケットを押し上げている裏側には投資マネーの流入があることはよく知られるようになった。 国内富裕層による都内などの優良物件への投資、高齢富裕層の相続税対策としての需要に加え、円安などを背景としたインバウンドマネーの流入などだ。 特に外国人によるマンション爆買いは歯止めが利かない状況にある。 先日、中国人投資家を対象にした不動産投資セミナーに招かれたときのこと。来場客の一人だった投資家は、都内で売りに出された超高額マンションを買ったとのことだったが、同じ物件の1割が中国人による購入だったと教えてくれた。 戸あたり4億円から5億円の物件をいともたやすく購入する彼らのバイイングパワーに度肝を抜かれる思いだった。 こうした動きを背景に、マンションを購入する一般人の間でもマンションは資産価値がある、という確信が広がっている。 現にここ10数年の間にマンションを購入した多くの世帯では多額の含み益が出ているのは間違いない。5000万円で買ったマンションを今売れば、7000万円、いや8000万円になるといった話だ。 そうした話を聞いた賃貸で暮らす世帯からは「早く買わなければ買えなくなる」あるいは「マンション買って資産形成を」といった焦りの声が聞こえてくる。 では自宅としてマンションを購入した人たちは実際にお金持ちになれるのだろうか。実はそれほど世の中は甘くない。