代表選出に賛否?!実績重視型の侍ジャパンで東京五輪の金メダルは獲れるのか…ネットでは「里崎ジャパンの方が強そう」の声も
ただ里崎氏は「不安要素はある」と指摘する。 「菅野、中川ら現状、調子が上がらない選手がいることは不安要素。北京五輪は9試合、今回は6試合なのに投手を北京よりも一人多い11人にしたのは、そのあたりに不安があるからでは?と考えてしまう。北京五輪に一緒に出場した当時のキャプテン宮本慎也さんとも話したが、あのチームがメダルが獲れなかった理由のひとつが“怪我やコンディション不良を抱えて北京に来た選手が多かったよね”ということ。村田修一、森野将彦、ムネリン(川崎宗則)、ツヨシ(西岡剛)、新井貴浩らの主軸に怪我があって、岩瀬仁紀も調子が悪かった。どんな状態で五輪に臨めるかは大事な要素だと思う」 稲葉監督が、「投手陣を引っ張って欲しい」と指名した一人の巨人の菅野は、内定が発表されたこの日、登録を抹消された。調子が上がらずにヒジの違和感などで2度、登録を抹消され、6月6日の日ハム戦で約1か月ぶりに復帰したが、本来の球威が戻らず13日のロッテ戦では3回持たずにKOされた。防御率は2.72だが2勝4敗と負け数が上回っている。中日の大野も沢村賞を獲得した昨年のような無双の状況にはない。現在3勝4敗、防御率3.49。またヤンキースから凱旋帰国したマー君もコントロールは素晴らしいが、防御率2.90、2勝4敗と負けが先行。阪神の岩崎も蓄積疲労で、前日までファーム調整。巨人の左腕の中川も、防御率3.64と安定せず、デラロサ不在時にもクローザーから外されたほど。交流戦のオリックス戦でメッタ打ちされるなどムラがある。 稲葉監督は「状態含めて熟慮した。まだ1か月ある。今状態がよくない選手も、1か月で上げてくれると信じている」とコメントしたが、里崎氏は「1か月で上がらない時はどうするのか」と疑問を投げかけた。 また捕手では、會澤が15日の西武戦で足の怪我で故障退場。この日、登録を抹消された。稲葉監督は、「昨日、足を痛めたようなので球団関係者の報告を待っている。話を聞いてから今後どうするかを決めていきたい」と、現在はまだ内定状態で、今後メンバーの入れ替えが可能であることを明かしたが、ここも不安要素だ。 「捕手のできる栗原、近藤を入れているが、どれだけできるかが重要。2人体制ということは、甲斐を主軸にするということだと思う。ただ甲斐に何かしらのアクシデントが起きたときに會澤が全試合フルにマスクをかぶれるのかという懸念も残る」と里崎氏。 またプレミア12で切り札となったソフトバンクの周東ら足のスペシャリストの選出も見送られた。 稲葉監督は、スピードのある選手として柳田、山田、源田の3人の名前をあげたが、まだ山田に「30-30」をやったときのスピードは戻っていない。機動力を使えるとすれば、源田だけ。また代表チームに不可欠なユーティリテイプレーヤーとして、捕手、一、三塁、外野を守れる栗原を選んだが、守備固めのタイプではない。 稲葉監督は、「このメンバーでプレミア12でスペシャリストと言われたところは補っていける」「守備を軽視しているわけではない」と発言したが、いささか説得力に欠ける。