電撃退団の楽天・田中将大 ヤクルトが獲得調査 今季登板1試合で大幅減俸…自ら「自由契約に」
楽天の田中将大投手(36)が24日、自身のYouTubeチャンネルで楽天と来季の契約を結ばず、移籍先を探すことを明らかにした。21年にヤンキースから古巣に復帰。右肘手術明けの今季はわずか1試合の登板に終わった。日米通算200勝にあと3勝に迫っている中での電撃退団。今後は自由契約となる右腕に対し、先発補強を目指すヤクルトが獲得に向けて調査を行うことが分かった。 【画像あり】里田まい 長男が公園で遊びながら楽天選手の応援歌熱唱 大ファンなのはパパではなく… ファン感謝祭で来季の巻き返しを誓った翌日、田中将が自身のYouTubeで突如、愛する球団との決別を宣言した。午後6時に動画を更新。「このたび、私は楽天イーグルスと来季の契約を結ばずに新たなチームを探すことに決めました」と電撃退団を発表した。 ヤンキースから21年に復帰後、昨季までの3年間で計20勝。昨年10月に右肘のクリーニング手術を受けた。開幕1軍を目指してオープン戦で登板を重ねたが、コンディションが整わず、1軍登板は5回4失点で負け投手となった9月28日のオリックス戦1試合のみ。プロ18年目で初めて白星なしに終わり、シーズン後は契約について「僕の思いでどうこうなることじゃない。いつどうなるか分からないからこそ、悔いなくやれればいい」と揺れる思いを吐露していた。田中将に対し、球団は今季年俸2億6000万円から減額制限(1億円以上は40%)を大幅に超える来季年俸5000万円、出来高含めた総額1億円以上程度を提示したとみられる。最後は右腕自ら「自由契約にしてください」と退団を申し入れたという。 抜群の実績に加え、圧倒的な知名度を誇る田中将を巡り、ヤクルトが獲得に向けた調査を行うことが判明した。2年連続の5位に終わったヤクルトは今季2桁勝利を挙げた投手が一人もおらず、先発投手の補強が最重要課題。3年ぶりのV奪回に向けてソフトバンクからFA宣言した石川の獲得にも乗り出しており、星稜時代に甲子園を沸かせながら、プロ入り後の5年間で計12勝にとどまっている奥川にも同じ右腕は格好の教科書となる。早川、藤井が自身初の2桁勝利を挙げるなど若手が台頭しつつある楽天に比べ、残り3勝に迫る日米通算200勝に向け、先発機会が得られる可能性も高く、双方にとってメリットがある。 13年にはプロ野球新記録の開幕24連勝をマークし、球団創設初のリーグ優勝&日本一に導いた。伝説をつくった愛する杜の都に別れを告げた36歳。新たな野球人生を選ぶ苦渋の決断を下した。 【田中将大 報告全文】(マー君チャンネル田中将大で) 本日はご報告の動画となります。このたび私は楽天イーグルスと来季の契約を結ばずに、新たなチームを探すことに決めました。これまでお世話になった球団関係者の皆さま、そしてスタッフの皆さん、チームメートのみんな、ありがとうございました。みんなには改めて直接ごあいさつする機会があると思いますけども、メジャーから仙台に戻って一緒にプレーができて本当にうれしかったです。 そしてファンの皆さん、日本に戻ってきてからイーグルスで日本一になることを目標に、皆さんとともに、日本一になりたい一心でプレーをしてきました。この4年間でその目標がかなわず本当に残念です。なかなか思うようにいかず、苦しく我慢の時間も少なくなかった時に、どんな時も信じて温かいご声援をくださり、時には叱咤(しった)激励もしてくださり、支えられてきました。感謝しています。ありがとうございます。 そして来季はどこでプレーするかというのは、まだ何も分からない状態ですけど、今の自分はいいコンディションでいいトレーニングを積むことができています。もう来季へ向けてもスタートしていますし、来季、今年投げられなかった分さらにしっかりと投げて戦っていきたいなというふうに思っているので、引き続きしっかりと準備をしてオフシーズンを過ごそうかなというふうに思っています。結論がまたしっかりと出た時に、またこの場で自分から皆さんの方へご報告させていただきます。 ▽契約保留選手 その年度の支配下選手のうち、球団が次年度の選手契約締結の権利を保留し、引き続き契約を結ぶことを予定している選手のこと。野球協約第9章第66条で、毎年11月30日以前の保留選手名簿の提出が義務づけられる。契約保留選手の数は1球団70人。毎年12月2日に名簿が公示され、現役引退や戦力外、提出期限までに合意しなかった外国人ら、名簿に記載されなかった選手は自由契約となる。 ◇田中 将大(たなか・まさひろ)1988年(昭63)11月1日生まれ、兵庫県出身の36歳。駒大苫小牧では2年時に夏の甲子園優勝、3年夏は準V。06年高校生ドラフト1巡目で楽天入団。13年はプロ野球新の開幕24連勝を記録し、球団初の日本一。同年オフにポスティングシステムでヤンキース移籍。メジャー日本投手では野茂、ダルビッシュ、黒田に次ぐ78勝。21年に楽天復帰。主なタイトルは沢村賞、最高勝率、最優秀防御率、最多勝(11、13年)、最多奪三振(12年)。08年北京五輪、21年東京五輪、09、13年WBC日本代表。1メートル88、97キロ。右投げ右打ち。