前戦の前日計量で1・55キロ体重超過した堤駿斗、大みそかの復帰戦でWBA世界Sフェザー級挑戦者決定戦
プロボクシングの前東洋太平洋フェザー級王者で、WBA世界スーパーフェザー級8位の堤駿斗(はやと、25)=志成=が18日、東京・渋谷区のシャトーアメーバで会見し、12月31日に東京・大田区総合体育館で、元WBA世界同級王者で、現同級14位のレネ・アルバラード(35)=ニカラグア=と、WBA世界同級挑戦者決定戦を闘うと発表した。4月の前戦の前日計量で1・55キロ体重超過し、6カ月のライセンス停止処分を受けてからの復帰戦となる。 アマチュア13冠のスーパーホープ、堤は会見で改めて前戦での失態を謝罪。復帰戦への意気込みを述べた。 「自分を応援してくださる方だったり、期待してくださる方の思いを裏切ってしまったので、これから少しずつ、しっかりとリングに立って闘っていくことでしか信頼をとり戻せないと思います。一度でもしてはいけない失敗をしてしまったので、二度は絶対にないように、しっかりとコンディションを整えて試合に挑みたいなと思います」 4月17日に東京・後楽園ホールで行われたフェザー級10回戦の前日計量で、大幅な体重超過。試合は当日計量をクリアした堤がWBA世界同級9位だったアンセルモ・モレノ(パナマ)に3回KO勝ち。プロ5戦5勝(2KO)とした。試合後には新型コロナウイルス感染の後遺症があったことを明かしていた。転級義務はなかったが、「フェザー級ではやらないと決めていた」とすぐに転級を決意。約1カ月後にはロードワークを、ジムワークは6月に再開した。 2022年7月にプロデビューし、昨年5月に東洋太平洋同級王座決定戦で同級3位だったジョー・サンティシマ(フィリピン)に3-0の12回判定勝ち。日本男子最速記録だった田中恒成(畑中)、清水聡(大橋)のプロ4戦目を更新する3戦目で東洋太平洋王座を獲得した。昨年大みそかに東京・大田区総合体育館で、WBA世界同級15位だったルイス・モンシオン・ベンチャーラ(ドミニカ共和国)に3回TKO勝ち。初の世界ランカー対決でプロ初のKO勝ちを収めた。 同じ過ちを繰り返さないため、元プロボクサーの減量コーチに指導を依頼。食事のメニューや体内の水分量などを毎日細かく連絡を取って相談している。10月9日から今月17日までは米ネバダ州ラスベガスで合宿を実施。約60ラウンドのスパーリングをこなした。「正直この階級で通用するかなんて、リングに立ってみないと分からない。フィジカル的に負けていても、テクニックと自分の持ち味を駆使して、しっかり勝ちたいなと思います」。「井上尚弥2世」とも呼ばれた逸材が、再スタートを切る。
興行のメインイベントは前WBA世界スーパーフライ級王者で、現同級6位の井岡一翔(35)=志成=が、初防衛を目指す王者のフェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=と闘うダイレクトリマッチ。堤の復帰戦はセミファイナルで行われる。興行はこの日の会見も独占無料生配信したインターネットテレビのABEMAが独占無料生配信する。プロ戦績はアルバラードが48戦34勝(22KO)14敗、井岡が35戦31勝(16KO)3敗1分け、マルティネスが17戦17勝(9KO)。(尾﨑陽介)