OBC、「固定資産奉行 V ERPクラウド」で新リース会計基準に対応する機能を提供
オービックビジネスコンサルタント(OBC)は11月14日、「固定資産奉行 V ERPクラウド」で、新リース会計基準に対応する追加機能の提供を2025年4月に開始すると発表した。 上場会社や大会社などを対象とした新リース会計基準が、企業会計基準委員会から公表された。新リース会計基準では、すべてのリース取引を原則として貸借対照表に計上(オンバランス化)することになる。使用権資産とリース負債が貸借対照表に計上されるため、自己資本比率やROA(総資産利益率)などの財務指標に大きな影響を受けることが予想される。 また、新リース会計基準では、レンタル契約や不動産賃貸契約など、従来リースとして認識していなかったものを新たにリースとして管理することになる。27年4月の強制適用に向けて、対象企業は複雑化するリース会計処理への対応準備に迫られている。 新リース会計基準の適用に向けては、いかに早く準備を始めるかが極めて重要とされている。準備とひとことで言っても、リースの洗い出しから財務諸表への影響額の試算、会計方針の決定、遡及計算、会計処理業務プロセスの見直し、システムの見直しまで幅広く行う必要があり、多くの時間を要することが予想される。とくに、システムの見直しは情報収集から運用の検討、稼働のためのトレーニングまで必要となるため、早い時期から余裕を持って検討を始める必要がある。 新リース会計基準は9月に公表されてから日が浅いこともあり、明確な対応方針や対応時期、具体的な機能内容まで明言している固定資産管理システムのベンダーはあまり多くない。固定資産奉行 V ERPクラウドでは、新リース会計基準対応に向けた追加機能として、リースのオンバランス化によって生じる財務諸表への影響額のシミュレーションを始め、リース契約の見直しにかかる再計算、日々のリース会計処理の業務プロセスを最適化する六つの新機能を25年4月から提供する。 具体的には、リース料やリース期間など最低限の情報を入力することでB/S・P/Lに与える影響額を試算し、会計方針検討のために活用できる。また、適用初年度に期首時点の資産・負債残高と累積的影響額を自動計算し、初年度の業務負担を削減する。使用権資産、リース負債、減価償却費、支払利息などを自動計算し、月次の会計処理を効率化する。 リース期間・リース料・数量の変更にともなうリース負債の見直しに対応。契約ごとに発生する複雑な計算業務にかかる業務負担を削減する。リース契約、リース料支払い、リース負債の見直しなどの仕訳作成に対応し、増加する仕訳処理の手間を削減する。さらに、「使用権資産の科目別残高」など財務諸表注記に記載が必要な情報の集計に対応し、新基準の適用によって発生する決算業務の負荷を軽減する。 固定資産奉行 V ERPクラウドは、新リース会計基準に標準機能で対応するため、オプションなどの追加導入は必要ないほか、SaaS型ERPのためプログラム自動アップデートでセットアップなどの手間や費用もかからない。中長期的な対応が必要になる制度改正に対しても安心して利用できる。