【プロ転向で宇野昌磨が見せる演技の“幅”】「ワンピース・オン・アイス」への新たな思いと魅力
宇野さんは初演だった昨年を「初めてだったこともあって、(1年前の)この時期はとても不安で、緊張する時間も長かったのですが、それでも、なんとか最後まで素晴らしいショーをやろうという思いでした。そして、公演が終わったときにはすごく楽しく、自分たちの宝物になる時間になりました」と振り返る。 その上で「また、こうして仲間が1年越しに集まることがとてもうれしいです。1年前とは違って、今回は不安ではなく、単純に楽しみです。そして、昨年とは大きく違ったアンコールでは、僕ももっと滑りたいという場面が多いです。それぐらい、本当に素晴らしいアンコールができていて、今年はまた一段と楽しめるショーになると確信しています。昨年よりもパワーアップしたものをお見せしたいと思っています」と気合い充分に意気込んだ。 フィナーレでは、新たなシーンに挑むことが明らかになった。 それが本田真凜さん演じるビビをリフトする場面だ。胸の前あたりで抱え上げ、回転もする。 宇野さんは「ほんとに難しいんだなと。僕たちは、シングルスケーターが今回も多いので、ペアの方だったり、アイスダンスの方がとても高難度のことをしていたんだなということを改めて実感しています」と新たな課題と向き合う。 一方で、宇野さんがプロになったからこその原動力が見え隠れする。 「僕も現役を引退して、ショーをメインとしてやっていくようになったので、枠にとらわれずに、『シングルスケーター』というよりも、『プロスケーター』として、色々とできることをどんどん模索して、やれることをやってきたと思っています。今回も、しっかりいろんな方にアドバイス聞きながら頑張りたいと思います」
二の腕から見える“進化”
プロスケーターとしての自覚は“役作り”からも見て取れる。 再演を記念した23年公演映像上演会が都内で行われた7月9日、宇野さんはタンクトップの衣装から出た自らの腕周りを「思ったよりもプニッとしていた」と筋肉のつき方が気になり、腕立て伏せに励んでいることを明かしていた。 「1日50回くらいやっています。最初は10回くらいで、珍しく長続きしている。それだけワンピースに懸けている。僕が続けることなんてゲームとスケート以外ありませんでした」と話して会場を沸かせていたが、この日も、「1カ月ほど」継続していることを明かした。競技者としてのフィギュアスケーターであるなら、それほど必要がなかった腕周りの筋肉についても「(ルフィ役は)腕が見えるので」という自覚の表れだ。 リフトでは、腕立て伏せの成果も試されそうだ。 「すごく上に持ち上げるというわけではないのですが、持ち上げるシーンがあるので、そういった部分に生かしたいなと思っています。まあ、でも難しいです。新たに乗り越える壁が現れた感じがします」