【プロ転向で宇野昌磨が見せる演技の“幅”】「ワンピース・オン・アイス」への新たな思いと魅力
司会者から現時点でのリフトの出来映えを聞かれた宇野さんが「見た感じどうですか」と本田真凜さんに感想を求めると、「頑張ってください」と笑みを向けられていた。 演者であるだけではなく、「再演という形なので、ストーリーを再現することに関しては、よりワンピースらしさが出せたらいいなということはありますが、演出家の方とも、スタッフの方とも、1年前よりも意見を出し合いやすい関係を築いてきたので、昨年以上に僕たちからも、いろんな方で意見を出し合いながら『もっとこういうのができます』『もっとこういうのやりたいです』という意見を見出し合うことで、もっといいものができるんじゃないかなっていうのは考えています」と演出への意識も高くする。 そんな宇野さんの姿勢は共演者たちにも伝わっている。 司会者から、熱のこもったリハーサルの様子について話を振られると、島田選手が「ルフィ(宇野さん)が一番仕上がっています」と口を開き、無良さんが「圧倒的に」と頷いた。司会者が「宇野さんはその場にいない人の分も演じることができると」と問いかけると、無良さんが再び「(宇野さんは)昨年はセリフを全部言えたけど、今年は多分、振り付けまで全部覚えている」と感心した様子で話した。宇野さんも「コーザ(役を演じるのは、友野選手)が駄目になったら僕が出るんでと笑顔を見せて冗談で応じていた。
プロ転向後、演技の幅を広げる
5月14日、競技者への未練は「全くない」とプロ転向を表明し、自分の生き方にもマッチしている」という「自由なスケート」を掲げた。7月には座長を務める「THE ICE(ザ・アイス)」に国内外のトップスケーターとともに出演。宇野さんは銀メダルを獲得した平昌五輪フリーでの楽曲であるオペラ「トゥーランドット」を23年世界選手権銀メダルのチャ・ジュンファン(韓国)との共演で魅了した。 8月には、スイス・シャンペリーで、宇野さんが師事したステファン・ランビエル氏が企画者の一人として演出を担当したアイスショー「魔法使いの弟子」に出演したことが、毎日新聞で報じられた。 「不安を乗り越え、すごく自分の自信にもなり、すごく自分の思い出に残るアイスショーになった」という「ワンピース・オン・アイス~エピソード・オブ・アラバスタ~」の再演を経て、宇野さんはプロスケーターとしての歩みはさらに前へと進みそうだ。
Wedge ONLINE編集部