「立民」代表候補は“自民党総裁選の動き”で決める!? 日程も候補者も「自民党しだい」で…小泉進次郎氏&小林鷹之氏の「対抗馬」になりうる人物とは
候補者の乱立で、自民党の総裁選はさながら“カオス状態”。一方、同時期に行われる、立憲民主党の代表選びはどんな状況なのか。 【写真をみる】進次郎氏&小林氏に「刷新感」で勝負できそうな人物とは? 意外な「美人候補」も
ふがいない“対自民作戦”
「立民は泉健太氏の任期満了に伴う代表選を9月1日告示、17日投開票と内定していた。が、その後に“自民党は9月20日投開票になる”との情報を得て、急きょ、9月7日告示、23日投開票に変更した。国民の関心を自民党総裁選からそらすための作戦だそうです」 と言うのは政治部デスク。 「選挙期間や投開票の時期が重なれば、メディアの報道が自民党一色になるのを防げるだろう、との計算だとか。実際、複数の立民議員は“ウチに新代表が誕生しても、直後の自民党総裁選に話題を奪われかねない”“そのまま解散総選挙に持ち込まれると、流れは自民党のものになる”と危機感をあらわにしていました」 野党第1党のプライドや、政権交代を訴えてきた気概を感じさせないふがいなさ。そんな中、自民党は総裁選の投開票日を9月27日に正式決定した。 立民の中堅議員は渋い顔。 「岡田克也幹事長が公言していた“日程が重なった方が有権者が比較しやすい”との目算も外れました。といって、いまさら代表選の日程変更もできません」
「メンツに代わり映えがない」
しかも――と続けて、 「自民党には、小泉(進次郎元環境相)や小林(鷹之前経済安保相)といったフレッシュな顔ぶれを立てて、強く刷新感を演出する動きがある。それに引き換え、ウチは“昔の名前で出ています”みたいに、メンツに代わり映えがない」 立民では、すでに枝野幸男前代表が一番乗りで出馬を宣言しているが、泉氏を含め、他に出馬を明言した議員は出て来ていない。 野党担当記者が解説する。 「立民には複数の議員グループがあります。泉氏が設立した新政権研究会、枝野氏を支援するとみられる近藤昭一氏が会長のサンクチュアリ、江田憲司氏が率いるブリッジの会、小沢一郎氏がトップの一清会、代表選への出馬を模索する重徳和彦氏が若手や中堅をまとめる直諫(ちょっかん)の会など。ただ、それぞれ掛け持ちが多いので、これらを基にした票読みはそう簡単ではない」 つまり、必要な20人の推薦人を集めるのは誰にとってもハードルが高い。泉氏も自身が掲げる与党との“対話路線”や保守票の獲得構想が党内で反発を受けており、目下、推薦人の確保に苦しんでいると伝わる。 「同じ理由で、出馬説がくすぶる重徳氏や江田氏、馬淵澄夫元国交相、小沢氏が支持するともいう小川淳也党税調会長らの立候補も確実とはいえません」 立民幹部が後を引き取る。 「ウチの議員は衆参合わせて136人と選挙に対する危機感の共有は早い。自民党で進次郎やコバホーク(小林)が有力となれば、こちらは野田(佳彦)さんで実績と安定感を訴えてもいいし、江田さんや小川さんで自民党と同じように刷新感で対抗して代表選を盛り上げる手もある」 逆に自民党で石破茂元幹事長や河野太郎デジタル相、茂木敏充幹事長といったベテランが優勢になれば、 「その時は美人で鳴る元アナウンサーの石川香織副幹事長を立ててもいい。枝野さんと近い系統だから、石川代表・枝野幹事長という体制も現実的。仮に高市(早苗経済安保相)が総裁になれば、同じ女性ながら超保守とリベラルの路線の違いも明確になって、総選挙が戦いやすくなるかも」
「週刊新潮」2024年8月29日号 掲載
新潮社