もはや「絶滅危惧種」の日本人…経済も人口も危機、どうすればいいのか
この国の人口はどこまで減っていくのだろうか。今年1年間の出生数が70万人割れになるかもしれず、大きな話題となっている。 【写真】日本人は「絶滅」するのか…2030年に百貨店や銀行が消える「未来」 そんな衝撃的な現実を前にしてもなお、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。 ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。 ※本記事は河合雅司『未来の年表 業界大変化』から抜粋・編集したものです。
日本を襲う「ダブルの縮小」
〈人口減少がビジネスに与える影響で即座に思いつくことといえば、マーケットの縮小や人手不足だ。日本は国内需要依存型の企業が多いだけに、とりわけマーケットの縮小は死活問題である。 しかも、マーケットの縮小とは単に総人口が減るだけの話ではない。若い頃のようには消費しなくなる高齢消費者の割合が年々大きくなっているのである。今後の日本は、実人数が減る以上に消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われるということだ。〉(『未来の年表 業界大変化』より) 『未来の年表 業界大変化』が危機迫って描くのは、想像以上のスピードでこの国を襲う「人口減少問題」がビジネスの世界に与える影響である。 2022年の出生数が初の「80万人割れ」で過去最少となった。 国立社会保障・人口問題研究所は、80万人を割るのは2030年と推計していたが、想定より8年早いペースで少子化が進んでおり、あらためて「危機的状況」が浮き彫りになった。 今後、日本の人口減少が続くことは誰の目にも明らかで、「縮小」を前提に国家や企業、生活をどうしていくかが問われている。 『未来の年表 業界大変化』が提示するのは、「戦略的に縮む」という戦略である。 〈各企業・行政機関が事業をスリム化し得意分野に資本や人材などを集中投入することである。消費者数も勤労世代も減っていくのだから、すべてを人口が増えていた時代のようにやろうとすることには無理がある。とりわけ各企業は得意分野に磨きをかけ、これまで以上に競争力をつけていかなければならない。そうすることで、自ずと海外でも道が開ける。 もう1つは、従業員・職員個々のスキルアップを図り、労働生産性を向上させることだ。人手が減っていく分は、一人一人が“稼ぐ力”を強化し、労働時間を充実させることでカバーするしかない。同時に働き手の貴重な時間を奪う“無駄な会議”などを無くす必要もある。〉(『未来の年表 業界大変化』より)