70歳代夫婦世帯の「年金額と生活費」はいくら?年金を受給している世帯の約6割が「年金だけで100%生活できていない」
11月22日に公表された「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)10月分」によると、生鮮食品を除く総合指数は108.8と前年同月比で2.3%の上昇となりました。 ◆【年金グラフと一覧表】今の70歳代はいくら年金をもらっている?老後の収支は平均で3万円以上の赤字に 今後も物価上昇が続くと予想されており、節約が大切な一方で、生活に少しでもゆとりがあれば安心だと感じる方も多いでしょう。 筆者はファイナンシャルアドバイザーとして業務を行っていますが、中でも「老後資金」に関する相談が特に多いです。 実際にすでに老後を迎えている70歳代の世帯はどのような生活を送っているのでしょうか。そのリアルな暮らしぶりを探りつつ、老後資金を効率的に準備する方法についても解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金を受給している世帯の約6割が「年金だけで100%生活できていない」
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで100%生活できている高齢者世帯は全体の41.7%です。 つまり、年金を受給している世帯の約6割が、「100%年金だけで生活していない」ことがわかります。 では、現在のシニア世代は、毎月いくらの年金収入を得ているのでしょうか。 次章では、公的年金である「厚生年金・国民年金」それぞれの平均受給額を確認していきましょう。
【全体と70歳代】公的年金「厚生年金と国民年金」の平均受給額はいくら?
ここからは、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金および国民年金の平均受給額を確認していきます。 年金は通常「2ヶ月分」がまとめて支払われますが、本章では資料に基づき「月額ベース」で確認します。 ●【受給者全体】厚生年金の平均受給額をチェック ・〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 ・〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 ・〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む ●【70歳代限定】厚生年金の平均受給額をチェック ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 全体の平均受給額は「月額14万3973円」で、70歳代の世代では平均を上回るケースが多いようです。 ただし、受給額には大きな個人差がある点に注意が必要です。 ●【受給者全体】国民年金の平均受給額をチェック 続いて、国民年金も同様に厚生労働省年金局の資料より確認します。 ・〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 ●【70歳代限定】国民年金の平均受給額をチェック ・70歳:国民年金5万7320円 ・71歳:国民年金5万7294円 ・72歳:国民年金5万7092円 ・73歳:国民年金5万6945円 ・74歳:国民年金5万6852円 ・75歳:国民年金5万6659円 ・76歳:国民年金5万6453円 ・77歳:国民年金5万6017円 ・78歳:国民年金5万5981円 ・79歳:国民年金5万5652円 上記の厚生年金・国民年金の平均受給額を基にした、「平均的な夫婦2人の年金収入」は以下のようにまとめられます。 ・夫:厚生年金&妻:厚生年金=月額約27万円 ・夫:厚生年金&妻:国民年金=月額約22万円 ・夫:国民年金&妻:厚生年金=月額約16万円 ・夫:国民年金&妻:国民年金=月額約11万円 現役時代に夫婦ともに厚生年金に加入し、平均的な受給額を得られる場合、夫婦の年金収入は月額約27万円となります。 ただし、実際にはこの金額から税金や社会保険料が差し引かれるため、余裕のある生活ができるとは限りません。 そのため、高齢者世帯の中には年金以外の収入に頼らざるを得ないケースも多いことがわかります。 老後は収入の多さだけでなく、支出とのバランスが重要になりますが、1ヶ月の老後の生活費はいくらになるのでしょうか。