「ゴルフの上達に近道はない」――スコットランドのことわざ
ゴルフの聖地、スコットランドの古いことわざには、身も蓋もないような表現のものが多いが、表題にしたこの名言もそんなひとつであろう。それを言われてしまっては、おっしゃる通りだけれども、当然すぎて話はそれで終わり、となってしまう。
比較的早く上達するには、まわり道を減らす
確かに、ゴルフは何歳でも、いつからでも始めることはできるが、短期間で簡単に上手になるということは難しい。子どもや若者のうちにゴルフを始めると、感性がするどいので、比較的早く上達するということはあるが、それでも彼らには時間があり、飽きもせず黙々と練習するからそうなれるのだ。 ほとんどのゴルファーは、社会人になってからゴルフを始めるレイト・ビギナーだから、なかなか十分な練習時間を確保できないし、金銭的な余裕も少ないだろう。結果として、ラウンドはよくて月イチ、練習もたまに行くぐらいとなってしまう。これで、短期間で上手くなろうなんてことが許されるほど、ゴルフは甘くない。 ただ、テーマを決めて課題をひとつひとつクリアするような中身の濃い練習をすれば、闇雲にボールを打つよりは、比較的早く上達できるだろう。近道というほどではないが、まわり道をしないことで上達にかかる時間を短くできるというわけだ。 特に、110以上をたたいているゴルファーが100切りを目指すような場合には、練習のやり方次第で、割と早く目標を達成することが可能だ。このレベルのゴルファーが克服すべき課題は、まだ比較的難易度が低いからだ。 この時期は、どんどん上手くなってスコアもよくなるから、楽しくてしょうがない頃でもある。120ぐらい打っていたのが、ダブルボギーペースになってくると、すぐそこに100切りが見えてくるのだから、やっていても楽しいしモチベーションも上がる。 それでも、「100切り」はひとつの壁と言われるだけあって、達成には少し手こずるかもしれない。そこで必要なのが、課題を明確にして練習に取り組むことだ。100切りを目指すゴルファーが意識すべき課題は次のとおりだ。 1.ドライバーのスライスを小さくし、OBをなくす 2.ザックリやテンプラ、トップやチョロ、シャンクやチーピンなど、大きなミスを減らし、常に60~70点ぐらいのショットができるようになる 3.グリーンまで60ヤードを切ったら、そこからほとんど3回で上がれるようにする 4.スリーパットを減らし、ワンラウンドのパット数を36以下にする これらの課題をクリアできれば、必ず100を切ることはできる。大きな飛距離は必要ないから、筋力に乏しい高齢者や女性でも、誰でも100は切れるのだ。