「ゴルフの上達に近道はない」――スコットランドのことわざ
練習は嘘をつかない
私は、幸いにして環境に恵まれ、大学の1年生から2年生にかけて、一気にこの過程をクリアしてシングルハンディのレベルに達した。その後、多くの友人たちが老化や病気などで実力を低下させている中、私は70歳の今も何とかシングルレベルを保つことができているのは幸せなことだ。 68歳の年に孫の世話が手を離れ、クラブ競技に復帰した。その年、ラッキーなことに2度ほど月例杯で優勝し、長期間7のまま変わらなかったハンディが5になった。16歳ぐらいで父親のクラブを振り回し始め、もう半世紀以上にもなるが、オフィシャル・クラブ・ハンディでの最高到達点は30歳ぐらいのときの3である。 70歳になったとはいえ、この人生最高だったハンディ3を何とか超えたいと思っている。しかし、ハンディ5になってからの69歳の1年間はあまり進歩できず、月例杯でもいいスコアを残せなかった。伸び悩み、いわゆる壁にぶちあたっていたわけだ。 ここを打破するのにも、やはり近道はなく、練習するしかないと考え、何かこれまでとは違う練習を自分に課さなければならないと思った。それで、近所にあるよいシミュレーションゴルフ練習場を見つけ、平日サブスク会員になった。1日1時間、平日なら何日でも定額の月会費で利用できるというシステムだ。無人営業で早朝5時から夜11時まで営業しているのも気兼ねがなくていい。 ゴルフは朝型人間になることも有益とされているので、入会してからというもの、ほとんどの平日は、4時30分に起床し、5時~6時の1時間シミュレーション・スクリーンに向かって球を打っている。その効果は、すぐに表れはじめ、74とか75というようなスコアが出始めた。1か月半後、2年間突破できなかったシニア選手権の予選も5位で通過することができた。 「いかなる局面でも、自分を支えてくれる心の余裕は、最終的には自分が積んだ練習の量から生まれてくるものである」――中部銀次郎 やはり上達に近道はなく、練習量を増やすしか上達する方法はない。銀次郎さんの言うとおり練習することが、ラウンド中うまくいかない時間帯を耐える自信にもつながったように思う。よく言われるが「練習は嘘をつかない」ということのようだ。