「グラスワイン1杯2000円」「おつまみも2000円超え」…渋谷・おしゃれ飲食街の「インフレ」が進む“裏事情”
■現代人は「失敗したくない」 Z世代はじめ現代人は「失敗したくない」という思いが強い。インターネットの発達により多くの情報が氾濫し、たくさんの選択肢があふれる中で「正解を選ばなくては」「間違えたくない」というプレッシャーにさいなまれている。若い世代はSNSで自分を発信する機会も多く、人の目が気になり、失敗した姿を見られることに強い抵抗を持つようになっているのも一因だ(参考「SHIBUYA109式 Z世代マーケティング」)。
高級なレストランは行き慣れてない人からしたら緊張するし、マナーがわからず恥をかく可能性もある。難しい料理も理解できるかわからない。「失敗したくない」のに、わざわざ高い代金を払っていくメリットがない。 一方、上記の店はカジュアルに自然体で楽しめる。でもイケてる雰囲気、非日常感が楽しめる。スタッフも友達のようなラフな感じ、でも失礼じゃなくて心地いい。同じお金なら、こういう体験に払いたいのではないか。
カジュアルに見える店でいい酒や料理をさらりと嗜めるのがイマドキなステータスになりつつある。今やロブションよりも奥渋のワインバルで1杯1200円の自然派ワインを気取らず飲めたら「いい女」なのかもしれない。そう考えれば、ロブションに行かずとも「いい女」になれるならワインが1200円しても、確かにコスパはいい。 ■その他の写真
大関 まなみ :フードスタジアム編集長/飲食トレンドを発信する人