乗客の中には3月に結婚控えていたカップルも、チェジュ航空事故、韓国で指摘される複数の「問題点」
右翼から白い煙りがあがっている映像が提供されていることもあり、機内に有毒ガスが入り、燃料を排出させるような非常措置がとれなかったのではないかとも推測されている。 務安国際空港の管制塔は、ランディングギアが下りないことがわかっていれば、事前に燃料消耗を促し、着陸時の衝撃を減らすための特殊泡も撒くことができたと話しているが、同機はバードストライクの注意警報を受け取った後、わずか5分ほどで胴体着陸をしており、機内で何が起きていたのか、解明が待たれる。
韓国メディアでは、空港近くに湿地もあり、渡り鳥が多く発生する場所になぜ空港を建設しなければならなかったのか、そして、滑走路の短さも指摘された。 務安国際空港は、1999年に建設が始まり、2007年に完工。韓国にある14の空港の中で5番目の規模を誇るが、開港翌年に金融危機が起きたことなども重なり、赤字空港としても知られた。 コロナ禍後には海外旅行熱が高まり、就航数を増やしていたが、滑走路は、仁川国際空港では最大4000㍍、金浦国際空港では3600㍍と比べると2800㍍と30%ほど短いことが指摘されていた。
大型機の就航を誘致する目的もあり、務安国際空港がある全羅南道では2010年から滑走路の延長工事を申請し、2021年、ようやく国土交通省の基本計画に含まれ、3160㍍滑走路を延長する工事が始まっていたが、事故当日は工事のため、2800㍍の滑走路はさらに2500㍍に縮小されていたという。 ただ、韓国の国土交通省は、滑走路は着陸に十分な長さだったとして事故の原因とは関係がないという立場を明らかにしている。
また、当初、着陸予定だった滑走路とは反対側で着陸を試みたのはなぜかという疑問を呈示されている。一部では、民家のある方向を避けたのではないかという見方も出ているが確かなことはまだ分からない。 ■事故の対応指揮を執るトップは前日就任したばかり 済州航空は、整備については不備はなかったと説明した。同機の機長は、空軍出身で、2014年に済州航空に入社。飛行時間も6000時間を超えるベテランパイロットだった。