乗客の中には3月に結婚控えていたカップルも、チェジュ航空事故、韓国で指摘される複数の「問題点」
非常戒厳から政治の混乱も続く中で起きた大惨事に、「もうやりきれない」というため息も聞こえる。この大惨事への対応指揮を執るのは、チェ・サンモク大統領権限代行だ。 チェ氏は副総理兼企画財政相だが、事故が起きる2日前の12月27日、大統領権限代行を務めていたハン・ドクス国務総理も野党から弾劾訴追され職務停止となり、職務を引き継いだばかり。しかも、このチェ代行も弾劾訴追される可能性が高いといわれており、「野党はいったい何がしたいのか」という声も上がる。
チェ代行は、当日すぐに現場に入り、遺族と面会している。全羅南道務安郡を特別災害地域に指定し、国土交通省は、中央事故収拾対策本部を設置するなど、現在のところ着々と収拾措置が進められている。30日、韓国政府はアメリカ当局と合同で事故原因の調査を行うことを明らかにした。 今回の務安国際空港での事故は韓国国内で起きた飛行機事故では、史上最悪の大惨事となった。韓国自治体の空港誘致合戦がうんだ悲劇という見方もでている。
韓国では来年1月4日までを哀悼期間として、全国に犠牲者を悼む場所を設ける予定だ。この事故で亡くなられた方々へのご冥福をお祈り申し上げます。
菅野 朋子 :ノンフィクションライター