関西大など20校以上が新設「情報系学部」は人気なのに入りやすい!ラッシュの裏にある「バブルの危うさ」に懸念も
大学受験で情報系学部が人気だ。しかし、各大学そろって大盛況とはならない。志願者数だけでなく、情報系学部の定員も増えているからだ。しかも大量にだ。特集『大学格差』(全20回予定)の#8では、情報系学部ブームの裏側に迫る。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美) 【この記事の画像を見る】 ● 情報系学部がブームでも みんな大盛況とはならない 大学におけるトレンドの学部といえば情報系学部だ。受験生の志望動向を見ると、「コロナ禍の最中は景気低迷により理系が人気になる『理高文低』が顕著だった。その後は理系人気が落ち着いて文系の人気が回復してきている。その中でも情報系はなお人気」とベネッセコーポレーション教育情報センターの谷本祐一郎センター長は言う。 仕事や日常生活の中で多くの人がデータサイエンスやAIの進化を肌で感じるようになり、それを学び研究しようというのは自然な流れ。情報系学部ブームは時代のニーズの表れである。 情報系学部の中でも、「2025年度入試に向けた夏の模試で志願者の増加が目立っていたのが、国公立大学の総合情報学系」(谷本氏)だ。 情報系学部は大きく分けると、工学系でくくられる情報工学系、理学系でくくられる情報科学系、文系と理系を組み合わせた文理融合型の総合情報学系がある。総合情報学系では、一橋大学が23年4月に「ソーシャル・データサイエンス学部」を開設し、同系統学部のトップに立った(特集『新・理系エリート』#1『「年収2000万円で入社して!」一橋大が新設のデータ系学部にラブコール殺到【情報系209学科10年間の偏差値付き】』参照)。 同学部は社会科学とデータサイエンスを融合して、従来の数字データだけでなく、街の明かりの量だったり画像や文字情報なども分析して景気を予測するなど、新たな手法を取り入れて社会やビジネスの課題を解決するための研究・教育を行う。実際に存在する課題をデータサイエンスを使って解く演習には参加を希望する企業が後を絶たず、受験人気もうなずける。 ただ、各大学の情報系学部がそろって大盛況とはならない。なぜなら、志願者数だけでなく、情報系学部の定員も増えているからだ。しかも大量にだ。
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