"米軍全クリ"に最も近づいた日本男児・サイトウ曹長が憂う日本社会「アメリカでは軍人だとわかった人が匿名で飯をおごってくれるような姿勢がある。日本の自衛隊には国や国民、さらにメディアのサポートがないのがかわいそう」
「自衛隊はレベルも意識もすごく高い。日本はアメリカほど教育の差がなく、全員がある程度の学力と生活力を備えている。また、指示されれば同じ行動が取れますよね。それがいいときもあれば、悪いときもありますが」 サイトウ曹長は「しかし」と続ける。 「アメリカでは米軍をサポートする社会意識がとても強い。それこそ、自分が軍人だとわかった人が匿名で飯をおごってくれるような姿勢がアメリカ社会にある。 日本にはそうした国や国民、さらにメディアのサポートがないのがかわいそうだと感じますし残念です。それらは隊員ひとりひとりの所属組織に対するプライドに大きな影響を持つ。それは全体の士気にも通ずるのです」 米軍を巡るサイトウ曹長の冒険譚(たん)はここで一度、幕を閉じる。米軍との絆が唯一の命綱になっている日本。サイトウ曹長が語った米軍の実情に留意し、自国を守る自衛隊への国民の支持不足を改めて見直す必要があるだろう。 取材・文/小峯隆生