沖縄のバスを手足のように使いたいだと!? それなら文字より「数字」を見ていただこうか!!
■文字より数字が重要
自分が行きたいと思っている方向へ確実に進むためには、バスの行先表示に記されている系統番号の数字を真っ先に見るのが重要と言える。 路線バスに乗る際は、全国的に見るとそもそも系統番号が付いていない路線も多々あり、優先順位では「行き先>系統」のイメージが強い。 それに対して沖縄はまったく逆の「系統>行き先」になるのが面白い。系統番号を先に気にするのもまた、沖縄のバスならではの特色かも知れない。
■数字に頼らないといけない切実なワケ
バスの経路にこだわるなら、まず行き先ではなく系統番号を見る……これにはもう一つ、観光で来た向きには、沖縄特有の切実な悩みごとが立ち塞がるためだ。 行先表示には経由地が掲示されていることも多いので、その経由地の文字情報を見れば経路が分かるんじゃないの?と思いきや、その経由地が「読めねぇ…」という事態によく陥る。 原を「ばる」と読むくらいなら何となく分かるものの、当て字系の多い沖縄の地名には、漢字の読み方の法則性があまりない。 例えば国頭と書いて「くにがみ」と読む一方、具志頭という場所は同じ頭を使うから「ぐしがみ」のかと思いきや正しくは「ぐしちゃん」。いずれにせよ通常は頭という文字に当てる読みじゃないところがミソ。 今帰仁の読みが「なきじん」だったり、勢理客と書いてどうやったら「じっちゃく」と読むようになるのか考え込んでしまう地名に至るまで盛りだくさん。 友達と何人かで集まっていて「沖縄って地名が読めなくてねぇ」なんて話題になった途端、「ていうかそんなの読めて当たり前だけど?」とかぬかしてくるマウントガイがいたら、そいつとはサッサと縁を切っちまうのが後々みんな幸せ、それくらいの難読レベルが勢揃いしている。 そんなわけで、マップを見ながらバスを選ぶ際に「なんか読めないけど途中この漢字のところ通るやつ」となれば、長い文字を見るよりも短い数字に頼ったほうが端的で覚えやすい、という寸法になる。 現地でバスの運転手さんと話をした時をはじめ、なぜかインバウンド系の観光客に「どのバス乗ったらいいの?」と何度か聞かれたが、いずれの場合も「○○番」で表すのが確実だった。 インバウンドさんのうち、「これから泊まるホテルの送迎バス予約したんだけど、どこで乗れるの?」と聞かれた時はサスガに分かりません、と答えざるを得なかったけど……。 ちなみに、バスターミナル等にはバスの路線図が貼り出されていて、略図ではなく縮尺地図の上に路線図と系統番号を描いたものがよく使われている。 地図タイプの路線図は土地勘がない観光客にとって大変頼もしい存在。ただし「廃止になってる路線があるかもしれないので気をつけろ」のようなことも書いてあるので過信は禁物だ。