旧NISAは放置してはいけない?「マイナス評価額」なのに税金で損する可能性 年末手続きに落とし穴
今年1月からの新NISAのスタートとともに、旧NISAは2023年いっぱいで新規投資ができなくなったが、非課税期間の最中は保有できる。そうはいってもほったらかしにしては損をする可能性があるという。旧NISAの一般NISAとジュニアNISA、つみたてNISAの3つのカテゴリーで運用していた人はこの先、どうしたらいいのか。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに教えてもらった。 【表】一生お宝になるかも!?【大型の高配当株30銘柄】はこちら! 「『一般NISAで投資をしているが、この先どうしたらいいのかわからない』といった相談は多いですね。一般NISAは非課税期間が終わっても、さらに5年間のロールオーバー期間があり、新たな非課税投資枠に移管することができましたが、新NISAのスタートとともにその制度は廃止されてしまいました。ロールオーバーができないので、売却するか、非課税期間が終了した後、課税口座に移管するかの2択しかありません」(高山さん、以下同) ■24年以降は使えない 5年間という短期間ではリターンの振れ幅が大きく、運用益が出ないこともあり、さらに5年間、トータルで非課税期間が10年あれば、収益が比較的安定してくるといったメリットがあった。 気をつけたいのは、24年以降はこのロールオーバーが使えないので、5年間ほったらかしにして課税口座に移されたとき、評価金額がマイナスだと、税金面で損をする可能性があるということだ。いったいどういうことか。
「23年に始めた場合は27年末までに売却するか、もしくは非課税期間終了後に課税口座に移すか、どちらかを決めることになります。例えば、一般NISAで50万円投資したとします。5年間の非課税期間が終了したときに評価金額が30万円に下がってしまったら、30万円で課税口座に移管されます。その後値上がりして売却価格が50万円になったら、当初の投資金額50万円に戻っただけなのに、20万円の利益に20.315%の税金が課税されることになるのです。このように評価金額がマイナスのときに課税口座に移管されると損をする可能性がありますので、少しでも利益が出ているときに売却するほうがベターです」 ■積み立てた日ではなく、積み立てた年 「受け渡し日」にも注意が必要だ。非課税期間に売却する場合、売却益は非課税になる。24年末で非課税期間が終わる人が売却しようとしたら、売買の決済をする「受け渡し日」が非課税期間内(非課税期間満了となる年の12月最終営業日まで)となる取引が対象。年末ギリギリに手続きをして、「受け渡し日」が年明けになってしまうと売却益は課税対象となるので、気をつけたい。 そして、つみたてNISAの場合、積み立てた日ではなく、積み立てた年を1年目としてカウントする。つみたてNISAは18年1月からスタートしたので、例えば18年3月に積み立てを始めたとしても、37年12月末までが非課税期間になる。