【40代・50代「更年期治療」をアップデート!】 ホルモン補充療法をする人に朗報! 乳がんのリスクを上げない「天然型の黄体ホルモン」が保険適用に!
使う薬を自分からリクエストしてもいい時代です!
さて、ホルモン補充療法で使う薬には「飲む」「貼る」「塗る」の3タイプがある。腟剤というものもあるが、厳密にはやや種類が異なる。 すべて保険適用のうえ、比較的安価だ。 *アンチエイジングクリニックなど、自費診療の場合はその限りではありません。 「飲み薬は肝臓で代謝されるので、肝機能が心配な方は避けたほうが無難でしょう。パッチ剤やジェル剤など経皮吸収タイプなら内臓に負担はかからないけれど、肌の弱い人、かぶれやすい人には不向き。 私の患者さんで使う人が増えてきたのはジェル剤のエストロゲンですね。特に天然型の『ル・エストロジェル』。プッシュ式のボトルで腕に塗るのですが、まるで化粧品のボディジェルのように使いやすいです。『ディビゲル』は1日分ずつ小さなパックになっていて、旅行や外泊のときに持ち運びしやすくなっています。 以前から人気なのは貼り薬。エストロゲンと黄体ホルモン両方が配合された『メノエイドコンビパッチ』は、お腹の横に貼ります。パッチの材質が硬めなのでかぶれやすい人もいますが、『貼るだけで楽!』という声もよく聞きます。 子宮のない人なら、前述のル・エストロジェル、ディビゲルのほかに、貼り薬『エストラーナテープ』もあります。こちらも天然型エストロゲン剤で、パッチも柔らかいのでかぶれにくいはず。 パッチ剤では肌が心配な人、スポーツクラブや温泉などでパッチが見えるのが嫌な人がジェルを選んでいるようです。 そう、お薬のタイプは自分からリクエストしてもいいのです。 医師によっては『うちでは出していません』と言われるかもしれませんが、きちんと理解した結果なら、堂々と希望を言いましょう」 《Point》 ・ホルモン補充療法に使われるホルモン剤は3タイプ ・経口薬(飲み薬)、経皮薬(貼り薬・塗り薬)
【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) イラスト/Shutterstock 取材・原文・画像制作/蓮見則子