【ABC特集】「いますぐ表には出てこないと思いますよ、本当の黒幕は」 「王将事件」から10年 調査報告書にあった、王将と不適切取引をしたとされる「A氏」を直撃
(元京都府警捜査員・西村俊彦さん) 「こうやって改めて来ると、当時のことを思い出して胸がギュっときますね」 元京都府警捜査員の西村俊彦さんは2023年春に38年間勤めた京都府警を定年退職しました。定年まで数々の事件の捜査にあたってきた西村さんが「特に難しかった」というのが、“王将事件”でした。 (西村俊彦さん)「付近の住民の方に聞き込みとかはすべてしています」 (記者)「有力な手掛かりは得られませんでしたか?」 (西村俊彦さん)「そうですね]
「餃子の王将」社長銃撃事件から10年
10年前の2013年12月19日。当時、全国で「餃子の王将」を600店舗以上を展開していた、王将フードサービス社長・大東隆行さん(当時72歳)が早朝の本社前で、何者かに銃撃され、死亡しました。東証1部上場企業の社長が射殺されるという前代未聞の事件は社会に衝撃を与えました。 大東さんは創業2年後の1969年に入社し、2000年に4代目の社長に就任しました。当時、経営難に陥っていた会社を立て直し、社員からはカリスマと呼ばれる「敏腕経営者」でした。そんな大東さんがなぜ、殺害されたのか・・・。 警察はのべ29万人の捜査員を投入しました。 (西村俊彦さん)「いちばんは計画的な犯行だなと。1人ですべてやったということではないと、最初からそういう見方でした」
犯行に使われたのは小型の銃
警察は現場に残された薬莢などから、犯行に使われた銃をイタリア製の25口径と断定。海外では護身用などに用いられる小型の銃でした。 (西村俊彦さん)「現場を見ても分かるように住宅街でもあります。さらに犯行の時間は朝方ですよね。音が響かない、音が立たないように、そこら辺を考えて犯人は25口径を選んだんじゃないかなと」
犯人として逮捕されたのは福岡・工藤会系の男
地道な捜査の結果、事件が大きく動いたのは去年10月。発生から9年後のことでした。 大東さんを殺害したとして逮捕されたのは、福岡県を拠点とする暴力団、工藤会系の幹部、田中幸雄被告(57)。福岡県警の元刑事部長で工藤会の壊滅作戦を指揮した尾上芳信さんは工藤会について、これまでたびたび襲撃事件を起こし、その矛先は一般市民にも向けられてきたといいます。
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