【ABC特集】「いますぐ表には出てこないと思いますよ、本当の黒幕は」 「王将事件」から10年 調査報告書にあった、王将と不適切取引をしたとされる「A氏」を直撃
社員も感じていた社長の異変
(尾上芳信さん)「京都まで行ってするのかという驚きはありましたけれども、そういった殺人・殺人未遂、一般人に対して数多くの事件を工藤会は起こしておりますので、そこについての驚きは全くありませんでした」 田中被告は警察の取り調べに、黙秘を続けているとされています。尾上さんが捜査を指揮した過去の事件でも、何も語らなかったと言います。 (記者)「彼は全くしゃべらないですか?」 (尾上芳信さん)「そうですね。工藤会は鉄の結束で結ばれているということで、逮捕されても自分のことも言わなければ、指示者も言いません」
大東さんが狙われた理由は何か・・・。事件前、当時の王将の幹部は大東さんの様子に異変を感じていました。 (当時の王将幹部)「殺害される1~2年前からときどき、顔面がぴくぴくする傾向が出ていました。大東社長1人で『この問題わしが解決せんと、解決できひんやろな』ってポツっと言ってましたから、一身に受けて、自分で解決しようと悩んでたんかなと」
大東社長が撃たれた理由は”巨額の資金流出”か
大東さんが抱えていた「問題」。それは事件後の第三者委員会で明らかになりました。巨額の資金が外部流出していたのです。 この金の流れは警察も注目していました。 (西村俊彦さん)「1つのトラブルというか、王将の当時の課題の1つであったと思います。そこを掘り下げてしっかり調べていったことは確かです」 関係者によると、大東さんは不適切取引の実態を極秘裏に検証するための「特別再発防止委員会」を事件のおよそ1年前に設置。その調査報告書が幹部らに示されたのは事件1か月前の取締役会でした。関係者は「取締役会で確認に与えられた時間は30分あったかどうかで、その場で回収されたため、一字一句確認することはできなかった」と話しています。
調査報告書を独自入手
そんな、幹部が確認をする十分な時間すら与えられずに回収された調査報告書をABC取材班は独自入手しました。 (記者)「日付は2013年11月13日。調査報告書に書かれていたのは、事件が起こる1か月前ですね」 書かれていたのは、王将からある人物「A」への巨額資金の流出の詳細でした。 (記者)「京都市の中心部のあるビルを、王将がA氏からおよそ5億円で購入。その後王将は第三者に8000万円で売却しています」 報告書によると、こうした不適切な取引で王将からA氏に支払われたとされる金額は、合わせて260億円。大東さんは資金の回収に奔走しましたが、170億円が未回収に終わったと結論付けられています。
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