【ABC特集】「いますぐ表には出てこないと思いますよ、本当の黒幕は」 「王将事件」から10年 調査報告書にあった、王将と不適切取引をしたとされる「A氏」を直撃
170億円の未回収が大東社長銃撃事件の”引き金”になったのか
A氏と取引していたのは王将の創業家。創業者の長男が3代目社長を務めていたころ、経理担当だった次男が取引を主導していたとされています。創業者の長男と次男は資金流出の責任をとる形で辞任。その後、王将への復帰を求める次男と大東さんら経営陣は対立し、報告書にはそのやりとりが生々しく記されています。 【報告書に書かれていた創業家と経営陣のやりとりの一部】 (創業家次男)「創業家を貴社(王将)から排除する動きを強めていることに対し大きな憤りを覚える」 (王将の経営陣)「使途が不透明な資金流出取引については、取引の当事者である創業者の次男が会社の為でなく、個人的に消費した可能性も疑われる」 王将側はA氏に資金が流出した時期を、創業者の次男が経理を担当していた期間と断定。その上で「創業社の次男の独断専行による多額の資金流出に起因する当社にとっての『失われた10年』とも言える期間であった」としています。
鍵を握る人物「A氏」
王将から資金を流出させたという「A氏」について、報告書には・・・。 「創業者の次男の関与を排除して、上杉氏との関係を断ち切った」 と、書かれていました。この「上杉氏」こそが、王将と不適切取引をしたとされる「A氏」でした。
「A氏」=上杉昌也さんを直撃
福岡や京都を拠点に複数の会社を経営していたとされる「上杉氏」は事件の背景を知る人物なのでしょうか。取材班は「上杉氏」がいる福岡へ向かいました。メディアの取材をほとんど断っているということでしたが今回「身の潔白を証明したい」と、私たちの取材に応じました。 (記者)「王将が報告書に170億円が未返済とありますが、そういった事実は?」 (上杉昌也さん)「ありません。あったら証拠を出してください。いついくらお前にこれだけ貸したと。そんな調査報告書なんかね、見たってそんな覚えありませんから」
王将に対する巨額負債の存在を否定した上杉さん。そもそも「王将とは和解が成立している」と主張し、ある文書を示しました。王将からの貸付金約46億円のうち、上杉氏が5億円を返済することで王将が残りの債権を放棄するという内容です。 (記者)「この書類を持って上杉さんと王将とは貸し借りがなくなった?」 (上杉さん)「そうです、そうです」 上杉氏は事件への関与を疑われ、警察から何度も聴取を受けたと言います。 (上杉さん)「京都府警は頭ごなしに『犯人はお前だ』というような言い方で。債務が全部なくなって和解までしているのに、何の遺恨があるんですか。そのことで何もかも崩壊してしまいましてね。家族ももうダメになったし。この責任をきちっと取るまでは、死ぬに死ねないと」
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