自律神経を整える「筋膜プリプリ体操」が耳を守る(耳鳴り・難聴解消メソッド)【40代から増える「耳鳴り・難聴」に要注意! ④】
「耳鳴り・難聴」の原因の多くは過度なストレスによる自律神経の乱れだ。ではそれを解消する方法はあるのだろうか? 自分で簡単にできて効果的なメソッドについて、耳鼻咽喉科医で医学博士の石井正則さんに伺った。
自律神経に関するツボが集まる耳をねじって刺激
40歳を過ぎた頃から自覚することが増えてくる「耳鳴り・難聴」。その多くの原因は、ストレス過多による自律神経の乱れだ(※詳しくは第3回<眉間のシワが深い人は要注意! そのストレスが「耳鳴り・難聴」の元凶>参照)。 自律神経を整える方法としては、ウォーキングなどの有酸素運動が有効。それ以外におすすめなのが、石井先生が考案した筋膜プリプリ体操の耳ねじり。略して筋プリ・耳ねじりだ。 「耳のまわりには、自律神経に関係するツボ※1が集まっています。さらに、耳介軟骨筋膜、側頭筋膜、後頭下筋膜などの筋膜※2が集まっている場所でもあります。耳をひねって引っ張ることで、自律神経を効果的に刺激することができます。 私がかつて、東日本大震災の被災地にボランティアで訪れたときに、この体操を紹介しました。すると、ひと通りの動きを行ったあとは、1時間以上も、耳だけでなく体全体が温かくなったという人もいました」(石井先生) ※1 東洋医学の概念では、全身には経絡が張り巡らされていて、そこを生命エネルギーである「気」が流れているとされている。その経絡が合流したり分岐したりする点を「経穴(けいけつ)」といい、これをツボと呼んでいる。 ※2 筋膜は筋肉、骨、関節、内臓器官、血管、神経などを包み込む、タンパク質の繊維でできた伸縮性のある薄い膜。筋膜が健康なら、筋肉や関節、臓器の動きがよくなり、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがスムーズになる。 これなら手軽なので、何かにストレスを感じたとき、手軽に実践できる。
【筋プリ・耳ねじり】
耳の上部をねじって引っ張ることで、自律神経を刺激するエクササイズ。これは耳の不調を自覚している人も、特に感じていない人にもおすすめだ。