島田珠代、笑いで覆い隠した“娘と別居”の苦悩 「娘と仲良くなれるなら芸を捨てられる」と思った
そうですね、つらかったです。あの頃はもう自分がない、みたいな感じでしたね。舞台をやっているときだけが自分で、舞台を下りたらただのがらんどう、みたいな。だから舞台をやっていてよかったなと思いました。愛する対象がお客さんしかいなかったので、がむしゃらにお客さんを喜ばせたい、という気持ちがありました。 そんな自分が自分じゃないみたいな状態のときに、今のパートナーと会ったんです。バーでたまたま隣に座って話をしたときに、ふわっと私を包み込んでくれるようなオーラを感じて。そこからご飯に行ったりするようになりました。
――娘さんとも一緒に暮らすようになって、最初はすれ違いも多かったようですが、今は良い状態になってるんですよね。 すごく良い状態です。中2のときにバーンと娘の不満が爆発して、部屋に閉じこもってしまったんです。つらかったですね。私はずっと仕事を一番にしてきた人間なんですけど、あのときだけは、芸事を捨てたら娘と仲良くなれるんだったら、捨てられるな、と思いましたから。そのときに、ああ、私は人間なんだ、と気付かされました。
■娘が大きくなったときに…… ――娘さんと暮らすようになってからは、お仕事も順調ですか。 そう言えるほどどっしりはしてないですけど、ありがたいことにいろいろ挑戦させてもらっています。常に緊張はしているし、怖いなあという気持ちはあります。 ただ、離れて暮らしていたときから考えていたのは、娘が大きくなったときに、お前の母ちゃんはこんなことやってるのかって、いじめられたり、からかわれたりしないかな、という気持ちがあって。
そうならないために、私、もっと強くならなきゃ、と思ったんですね。あそこの母ちゃんは突き抜けてるから、もうあいつにちょっかい出すのやめとこうぜ、って。そのぐらいにならないと娘を守れんわ、と思って、ライオンが牙を剥くみたいに、ワーッてなってました。 この前、キンタロー。ともそういう話をしてました。あそこも娘が2人いるから、ああだこうだ言われないように強くいなきゃね、って励まし合ってました。
ラリー遠田 :作家・ライター、お笑い評論家