歯は1日何回磨けばいいの?
歯磨きを1日1回するだけではダメなのだろうか? フランスの専門家に聞いてみた。 歯磨きはもちろん衛生上必要だが、習慣として身についている人ばかりではない。さらに寝過ごして慌ただしく出勤の準備をしている時や、夜遅く帰ってきて一刻も早く寝たい時に歯磨きをパスしたい誘惑にかられた人も多いはず。フランス口腔衛生連盟(UFSBD)では1日2回のブラッシングを推奨している。しかし、必ず2回すべきなのだろうか? 1日1回だけだとどんな影響があるのだろう? ブルー、ピンク、斑点、紫、リーゼント......2023年、衝撃的な髪型を見せたセレブたち!
病原菌が増える
微生物の研究を手がける口腔外科医のエロディ・テレールの答えは明快だ。歯磨きが不十分だと病原性細菌が増える。ブラッシングの目的は歯垢と歯石を除去することであり、どちらも口腔内に善玉菌と悪玉菌を蓄積させる温床となる。 エロディ・テレールによれば、朝の歯磨きをパスすると、食事を栄養素として口腔内で細菌は一日中増殖してしまう。そして夜の歯磨きをパスすると、菌の悪影響は倍増する。睡眠中は口の自浄作用である唾液の流れが悪くなるからだ。 悪循環の始まりだ。細菌が蓄積すると、口腔内細菌叢(口腔内フローラ)のバランスが崩れ、歯を守るバリアであるエナメル質が脆くなる。さらに粘膜の炎症につながり、虫歯ができやすくなる。「最終的には歯肉炎や歯周炎などの歯周病が発症し、感染が身体の他の部位に広がる可能性があります」と口腔外科医のエロディは警鐘を鳴らす。「糖尿病や心血管系疾患を患っている人は、歯科衛生にとりわけ注意する必要があります。持病が悪化するおそれがあるからです」
口臭の原因
デメリットは他にもある。「細菌によっては蓄積して相互作用する結果、メタン臭や硫黄臭を放ち、これが口臭の原因になります。とりわけ歯垢や歯石によって唾液管が塞がれている人はそうなりやすいですね」とエロディ・テレール。 なお、コーヒーや紅茶、タバコによって歯が変色することもある。こうした付着物も細菌の増殖を促進し、有害な結果をもたらす。