「足を引っ張りやがって」斎藤知事、“大暴露”のPR会社社長でピンチに…支持者も激怒「兵庫県民を舐めてる」自己顕示欲が高い人の特徴
モチベーションの維持に腐心していた結果なのか
自信を持って自分をアピールできるため、初対面では魅力的に映ることがある。これは、職場や学校などでの新しい人間関係を築く際に有利に働く可能性がある。一時的な成功や承認を得ることで、さらに高い目標に挑戦する動機づけにもつながるだろう。 一方で、自己顕示欲にはデメリットも多く存在するという。 まず、長期的には心理的コストが顕在化する可能性が高い。自己顕示欲は時間の経過とともにこれらが低下する傾向が確認された。具体的には、4年間を通じて自尊心の低下や主観的幸福感の減少が見られた。この結果は、自己顕示欲による過大な期待が現実と合致しない場合に、失望感や挫折感を引き起こすことを示している。特に、自己顕示欲が高い人は、自分が期待した成果を達成できないときに心理的なストレスを強く感じやすい。この現象は、長期的には心理的幸福を損なう要因となり得る。 こうした点を考えると、折田氏がインスタグラムなどで自分の有名コメディアンとのツーショット写真を幾度となくアップし、ラグジュアリーな自分の着飾った姿を次々とあっぷしていったのも、モチベーションの維持に腐心していた結果なのかもしれない。 自己顕示欲は悪い文脈ばかりではないことがよくわかる論文である。自己顕示欲と現実とのバランスを取るためには、冷静な自己評価を行い、自己顕示欲をコントロールすることが重要なのであろう。また、いかに優れたPRであっても、今回の選挙結果は、やはりテレビやメディアによる一方的な斎藤知事への偏見への怒りが、兵庫県民を突き動かしたわけだ。そうした文脈に対する敬意も、書き残して欲しかったところだ。
自分の地位を過大評価することによる3つのコスト
問題はまだある。この折田氏のインスタ、noteに記した「私がやりました」アピールを妬む社会の問題である。例えば、『傲慢を罰する:集団における自分の地位を過大評価することの危険性』(2008年)は、集団において自分の地位を過大評価すること(ステータス自己拡張)が、社会的なコストを伴うことを次のように明らかにしている。 (1)自分を実際より高い地位にあると認識する人々は、他のグループメンバーからの好意を得られず、調和を見出し、社会的に疎外される傾向がある。 (2)自分の地位を拡大評価した人は、グループ内での金銭的な報酬が少ない (3)自分の地位を拡大評価した人は、自尊心の向上にはつながらない一方で、ナルシシズム(自己陶酔傾向)と関連があった これは日本人への実験ではない。日本社会は同質性を強く求める傾向があることを知られており、ひょっとしたら、この論文よりも日本社会では強く上記のような傾向がでるかもしれない。